2019 Fiscal Year Annual Research Report
ASC contributes to thrombus formation independent of NLRP3
Project/Area Number |
18K15900
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
渡邊 幸子 自治医科大学, 医学部, 助教 (80770619)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血小板 / 血栓症 / インフラマソーム / ASC |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らのグループは、これまで心血管疾患の病態に共通する無菌性炎症を制御している細胞内分子複合体 NLRP3インフラマソームの重要性を明らかにしてきた。そして最近、血小板にはインフラマソーム構成分子の一つであるアダプター分子ASC のみが存在し、このASCがインフラマソームとは独立して血栓形成に寄与していることを見出し、血小板のASCに結合する候補分子を探索・同定を行ったところ、候補分子を5つ同定した。 2019年度は、ヒト巨核球細胞株(CMK11-5)およびレンチウイルスベクターを使用したASCおよび候補分子の強制発現・発現抑制(CRISPR/Cas9 システムを利用)系を構築し、活性化刺激を加えた際の細胞内シグナル・細胞内カルシウム濃度について評価を行った。その結果、ASCの発現を抑制した(ASC-KD)CMK11-5細胞ではコントロール細胞と比較して細胞内カルシウム濃度に上昇傾向が見られたものの、有意な差は認められなかった。また、細胞内シグナルについても同様に、ASC-KDとコントロールの間に有意な差は認められなかった。しかし、野生型マウスとASC KOマウスの血小板を用いた解析を行ったところ、ASC KOマウスの血小板ではトロンビンやCRP刺激による細胞内カルシウム濃度が野生型マウスと比較して有意に上昇しており、特にCRP刺激においては、その下流のP-selectinや活性型インテグリンの発現も優位に上昇し、ERKおよびAktのリン酸化も強く亢進していた。本研究の結果から、血小板においてはASCと候補分子が相互作用し、刺激による活性化を負に制御することが示唆された。今後更なる研究が期待される。
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Research Products
(6 results)