2018 Fiscal Year Annual Research Report
Deep learningを用いた肥大心筋の識別系の確立と新規心不全治療薬の同定
Project/Area Number |
18K15901
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小室 仁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60815249)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Deep learning / 心筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究では、Deep learningを用いた高精度の肥大心筋の識別系の確立を目的として実験を行なった。 Deep learningを用いた心筋細胞に対する負荷の有無の視覚的特徴抽出の為、ラット新生仔初代心筋細胞の無血清培養群と血清培養群の蛍光免疫染色を用いてモデルの学習およびDeep leaningの条件検討を行った。無血清培養群と血清培養群の蛍光免疫染色を用いた学習モデルの作製にあたり、条件検討によりDeep leaningによる視覚的特徴抽出に適する最も鮮明な画像が得られる抗体として細胞骨格ではα-Actinin、核に対してはNkx2-5を同定した。得られた免疫染色条件を用い、無血清培養下の細胞と血清添加培養下の細胞を90%の精度で識別するモデルを開発した。次に、心筋細胞に対する肥大刺激の有無の視覚的特徴抽出の為、生体内に近い至適条件である低血清 (0.1%)培養下およびインスリン/トランスフェリン添加下で、アンジオテンシンⅡおよびエンドセリン-1による肥大刺激群と無刺激群の位相差顕微鏡画像を撮影し分類モデルの作製を行った。撮影した画像から心筋細胞画像を自動プログラムで切り出し、学習したモデルの分類性能を評価した。インスリン/トランスフェリン添加下でアンジオテンシンⅡまたはエンドセリン-1の刺激の有無によって得られた位相差顕微鏡画像を用いた学習モデルの作製を試みたが、60-70%程度の精度でしか心筋肥大を判別できなかったため、アンジオテンシンⅡ及びエンドセリン-1の両方を刺激として加え、刺激の有無によって得られた位相差顕微鏡画像を用いた学習モデルで行った。その結果、90%の精度で心筋細胞に対する肥大シグナルの有無の自動識別を達成した。
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