2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒト多能性幹細胞からの効率的な心筋細胞分化に向けた新規低分子化合物の開発
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18K15902
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岸野 喜一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20594568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / BMPシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋分化誘導においては、分化初期のBMPシグナルの活性化が重要であり、同シグナルを活性化する低分子化合物は未だ存在しない為、当研究では低分子化合物のスクリーニングによりヒト多能性幹細胞からの心筋分化に有効なBMPシグナル作動化合物を同定することを目的としている。 RNAiとルシフェラーゼアッセイを併用して選出した標的因子に結合可能な化合物のin silico探索を行い、最終的に最も結合親和性の高かった50化合物を既に選出していた。選出した低分子化合物をヒトiPS細胞の心筋分化誘導系に実際に添加し、その分化誘導促進効果をFACS、PCR、免疫染色を用いて定量的に評価を行った。結果としては、化合物の有効濃度が高い為、細胞毒性を認めてはいるが、許容される低濃度において、FACS・RT-PCR・免疫染色で心筋分化効率の改善を示唆する結果が確認されている。現在、毒性が軽減され、より低濃度で有効性を認める類似構造を有する化合物の二次探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画にならって研究計画の遂行と成果が得られている為。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、毒性が軽減され、より低濃度で有効性を認める類似構造を有する化合物の二次探索を行っている。他化合物の探索が進まない場合は、同化合物の構造展開も検討する方針である。
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Causes of Carryover |
購入予定であった細胞増殖因子や抗体などが前年度の余剰ストック分があり、一部追加購入を見送り、翌年度に購入することになった為。
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