2018 Fiscal Year Research-status Report
マルファン症候群およびその類縁動脈疾患の病態と遺伝基盤の解明および治療法の確立
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18K15909
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
柳生 剛 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (80794867)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルファン症候群 / エーラスダンロス症候群 / 大動脈解離 / 大動脈瘤 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルファン症候群及び類縁の動脈疾患は若年性および家族性に大動脈瘤形成や大動脈解離を発症する疾患であり、その予後改善のためには適切な診断と治療が必要である。これまでにマルファン症候群にFBN1遺伝子変異が同定され、その存在が確定診断に重要な所見となっている。同様に若年性、家族性に大動脈病変を来す類縁疾患群において、TGFBR2、TGFBR1、COL3A1、ACTA2遺伝子など種々の遺伝子変異が報告されている。いまなお新たな原因遺伝子の関与が報告され続けており、すべての症例の原因が明らかになっているわけではないのが現状である。また上記疾患は希少疾患であり、その病態や治療法など十分に明らかにされているわけではない。そこで本研究ではマルファン症候群及びその類縁の動脈疾患患者に、原因遺伝子変異の有無や画像検査所見、臨床情報の特徴を明らかにして診断および合併症の予防につながる知見を得ることを目的とする。また候補遺伝子解析にて原因遺伝子に変異を認めない患者に対しては、全ゲノム解析やエクソーム解析を含む最新のゲノム解析法により未知の遺伝子に存在する変異の同定を目指す。昨年度(2018年度)に関しては、マルファン症候群及びその類縁の動脈疾患を疑う症例54例に対して遺伝子解析検査を実施した。また候補遺伝子解析において原因遺伝子に変異を認めず、次世代シークエンサーでの追加解析を実施した症例が18れいであり、現在その結果についての解釈や意義の評価を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の集積は進んでいるものの次世代シークエンサーによる解析およびその結果の評価に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シークエンサーによる解析およびその結果の評価をより迅速に進めるよう努める。また新規検査症例の確保に努め、遺伝子解析に加えて蛋白、ペプチド解析も行うことでより多面的な病態評価法の開発に努める。
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Causes of Carryover |
研究に必要な物品購入、業務委託費、および情報収集のための学会出張費に充てる予定である。
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