2018 Fiscal Year Research-status Report
好塩基球の肺胞マクロファージ活性化による肺線維化の新しい機序について
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18K15919
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
立石 知也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (40645636)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 好塩基球 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までの進捗としては、マウスにブレオマイシンを投与し、好塩基球を除去することにより炎症並びに線維化が悪化することを確認している。ブレオマイシンモデルの線維化は薬剤投与後21日程度で起こるため、その時点を重点的に解析し線維化の悪化が認められることを確認してきた。 今年度は、マウスにブレオマイシンを投与後2-4日で起こる急性の炎症に焦点をあてて研究を進めた。その結果として投与後2-4日でブレオマイシン投与後にエンドトキシン(LPS)投与と同様の肺水腫を伴った肺障害が起こっており、この肺障害自体も好塩基球除去により悪化していることが分かってきている。細胞浸潤の主体として肺胞マクロファージが考えられた。我々のグループでは同様に好塩基球除去による肺気腫モデルを作成しているが、ここで関わるのは単球由来の間質マクロファージであり、系の違いにより、好塩基球が単球ーマクロファージ系の成熟・分化に影響を与えていることが分かってきている。 好塩基球によって修飾されない肺胞マクロファージは、活性化しやすく、よりサイトカイン分泌を行っていることが観察されており、これらのどのサイトカインが最も炎症、線維化にかかわっているかをさらに検討を進めたい。また肺胞マクロファージの活性化と上皮修復に関連があるかも検討を進めているところである。 好塩基球除去にはBa103抗体を用いるモデル、出生時から好塩基球を欠損するもの、薬剤投与によりconditionalに好塩基球を除去できるものの3系統が使用可能であるが、現在まですべての系を試すことができていないため、次年度以降の課題したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好塩基球除去によることにより炎症並びに線維化の悪化の機序としてmicroarrayやmRNAの発現レベルから、IL33やTSLP、HMGB1などの上皮障害時に放出されるalarminが関与していると考えている。これらの抗体を用いて炎症、線維化のキャンセルが得られるかを検討しているが、まだ有効な実験系の確立が得られていない状態である。 またFlexiventによる肺機能検査も肺線維化のoutcomeのひとつとして計測しているが、測定にブレが多く、より多いマウスによるデータを要している。遺伝子改変マウスを用いているため、十分な数を揃えるため時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の課題について、適切な系を確立すべく、マウスの数をそろえ実験を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスがそろわず、実験の進捗が遅れたため、当該実験に使用を検討していた費用を次年度に繰り越したいと考える。
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