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2018 Fiscal Year Research-status Report

ALK融合遺伝子陽性肺癌におけるアポトーシス抵抗性因子の解明と克服治療の開発

Research Project

Project/Area Number 18K15922
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

谷本 梓  金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (90776444)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
KeywordsALK融合遺伝子陽性肺癌 / 自然耐性 / p53 / ALK阻害薬
Outline of Annual Research Achievements

肺癌は我が国における悪性新生物による死亡原因の第一位であるが、近年分子標的薬の開発が急速に進んでいる。ALK融合遺伝子陽性肺癌 (以下、ALK肺癌) に対してALKチロシンキナーゼ阻害薬 (ALK-TKI) は著明な腫瘍縮小効果を示すことが多いが、奏効期間が短い患者群が存在する (自然耐性) 。この患者群が本来のALK-TKIによる治療の恩恵を享受するためには自然耐性機構を明らかにし、その耐性因子を標的とした治療を確立することが必須である。以前、申請者らはin vitroの検討で、EGFRリガンド及びHGFによる側副経路の活性化が、第二世代ALK-TKIであるAlectinibの耐性因子となり得ることを報告した (Tanimoto et al. Oncotarget 2014) 。しかし、ALK肺癌において、自然耐性症例の臨床検体を用た検討はほとんどなく、詳細な耐性のメカニズムは明らかとなっていない。一方で、自然耐性としては近年アポトーシス抵抗性が、分子標的薬の耐性を早期に誘導する因子として注目されている。このことから申請者はALK肺癌におけるALK-TKI自然耐性においてもアポトーシス抵抗性が関与している可能性を考慮し、ALK肺癌におけるALK-TKIによるアポトーシス誘導経路を明らかにすることを目的として検討を開始した。第二世代ALK-TKIであるAlectinibは、ALK肺癌患者において、無増悪生存期間中央値が2年以上と長期的な効果を示すが、一部の患者群では数ヶ月以内で増悪する。申請者はこの自然耐性機構としてアポトーシス抵抗性に着目し、in vitroでがん抑制遺伝子として知られるp53の活性低下が一因となり得ることを新たに見出した。昨年、p53の変異がALK肺癌の約23.8%に存在し、ALK-TKIによる無増悪生存期間がp53野生型群と比較して短縮することが報告された (Kron A et al. Ann Oncol 2018)。そこで申請者らはp53変異を有するALK肺癌に対する有望な治療法の開発を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで世界で報告のなかったALK肺癌におけるp53の自然耐性への寄与をin vitroで示すことができている。具体的にはp53変異を有するALK肺癌細胞株に対し野生型のp53遺伝子を導入したところアポトーシス抵抗性が解除された。また、p53機能を保持しているALK肺癌細胞株に対しp53遺伝子を発現抑制させたところアポトーシス抵抗性を認めた。
さらにp53変異を有するALK肺癌に対し、自然耐性を克服する新規治療薬の効果を示唆する結果が得られている。

Strategy for Future Research Activity

in vivoで新規治療法の効果を確認し、臨床応用への道筋を立てていく。

Causes of Carryover

in vivoの検討が必要であるため、マウスと試薬の購入費が多く占める。また、成果報告として論文投稿と学会発表を予定している。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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