2019 Fiscal Year Research-status Report
進行肺癌を対象とした腫瘍免疫抑制回避と能動免疫を併用するがん免疫療法の臨床研究
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18K15928
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 雄介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90648619)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PD-1 / PD-L1 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 腫瘍免疫 / 腫瘍抗原 / 免疫療法 / T細胞 / 末梢血単核球細胞(PBMC) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、免疫チェックポイント阻害剤単剤投与により、① 腫瘍特異的T細胞が、免疫療法の導入に伴い肺癌患者の末梢血中で活性化・増殖するか、また ② 免疫チェックポイント阻害剤投与が与える末梢血中のT細胞や単球サブセットへの影響が、抗腫瘍効果と関連するかを問うことを目的とし解析を進めている。 現在までに、熊本大学病院呼吸器内科を受診し、肺癌の診断を受け免疫チェックポイント阻害剤単剤投与を受けた肺癌患者の臨床経過データの集積、検体採取、保存をさらに進めている。保存した肺癌患者末梢血単核球細胞(PBMC)を用いてマルチパラメーター・フローサイトメトリーを用いた初期解析を進めてており、保存した肺癌患者PBMC中のT細胞サブセット解析ではPD-L1、PD-1、CTLA-4などの免疫チェックポイントレセプターの発現レベル解析と合わせて、制御性T細胞解析、Ki67などのT細胞活性化マーカー解析を進めている。抗原提示細胞へと分化するPBMC中の単球サブセット解析も並行して行い、T細胞活性化に伴い組織因子(Tissue Factor)を特定の単球サブセットが末梢血液中で放出することを同定している。健常人由来の免疫サブセット解析も並行して行い、解析データの妥当性の検証も進めている。 さらに。多重蛍光免疫染色を用いた患者組織検体解析、in vitroでのPBMCにおける多重蛍光免疫染色解析を開始し、初期データはすでに英文雑誌に報告している。病理組織検体における免疫細胞関連機能マーカーの定量化を目的とした自動解析装置(Strata Quest tissue analysis solution, Novel Science)も導入が完了し、組織検体の多重蛍光免疫染色を行い組織検体の腫瘍微小環境、免疫サブセット解析マーカーの定量化に関する予備実験が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熊本大学病院呼吸器内科を受診し、肺癌の診断を受け免疫チェックポイント阻害剤単剤投与を受けた患者のデータ集積、検体採取、保存は概ね順調に進行している。 病理組織検体における免疫細胞関連機能マーカーの定量化を目的とした自動解析装置(Strata Quest tissue analysis solution, Novel Science)も導入が完了し、予備実験が進行中である。 多重蛍光免疫染色を用いた患者組織検体解析、末梢血単核球細胞(PBMC)解析を開始し、初期解析の成果は英文雑誌に論文として報告している。 マルチパラメーター・フローサイトメトリーによるPBMC解析に関する予備実験も順調に進み、初期解析の研究成果はすでに英文雑誌に論文として報告している。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチパラメーター・フローサイトメトリーによるPBMC解析、多重蛍光免疫染色法による患者検体解析を進め、得られたデータと臨床データとの相関解析を行う。 T細胞活性化に伴い、組織因子が特定の単球サブセットから放出されることを同定しており、臨床的効果や副作用との関連解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
費用の多くは抗体購入など解析費に使用する予定である。安定した解析データを得るため、検体が十分に揃った時点で一括して検体解析を行う必要があるため、現時点では十分な検体を保存する必要があるため次年度の使用額が生じている。
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Research Products
(2 results)