2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K15931
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
澤幡 美千瑠 自治医科大学, 医学部, 講師 (00812629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 効果予測 / ELISPOT |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺がんにおける抗PD-1抗体の奏功率は2-3割を占め、奏功例では殺細胞性抗がん剤に比べて長期の延命効果が期待できる。一方、抗PD-1抗体治療は極めて高価であり、また間質性肺炎や自己免疫疾患などの重篤な副作用がある。したがって、奏功が予測される症例をあらかじめ厳密に選択して投与する必要がある。現在、肺がん組織のPD-L1発現を免疫染色検査により検出することで効果予測しているが、感度、特異度とも臨床で使用するに十分ではない。今回我々は、免疫チェックポイント阻害薬の効果予測のためのアッセイの開発を行ったので報告する。 肺癌特異的T細胞の活性化を検出するINF-γ ELISPOTアッセイの作成: はじめに健常人の血液検体を用いてINF-γ ELISPOTアッセイを施行し、培養時間、抗体濃度を含む至適反応条件を設定した。肺癌診断時に採取した患者悪性胸水から肺癌細胞を分離し、この肺癌細胞に反応する末梢血中の肺癌抗原特異的Tリンパ球の活性化を検出した。ここに抗PD-1抗体を添加することでTリンパ球の活性化・増殖が促進されることを確認した。 INF-γ ELISPOTアッセイ手順 血液8mLを採血し、全血から末梢血単核細胞 (PBMC) を分離し、既定の細胞濃度となるように調節する。抗INF-γ抗体を固相したマイクロプレートのウェルに悪性胸水由来肺癌細胞を加え、PBMC検体を加えて1-3日間反応させる。ウェルを洗浄した後、標識抗体試薬を加える。ウェルを洗浄して非結合の抗体を除去後、基質試薬を加えるとINF-γを産生したがん特異的リンパ球の痕跡に対応する暗青色のスポットが発現し、数を計測する。抗PD-1抗体存在下と非存在下にスポット数を計測し、この差を判定値とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大のため、定期的に患者検体を得て利用することが困難な時期がありました。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた患者検体を効率よく用いることで研究を継続します。
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Causes of Carryover |
予定より試薬の使用期限が遅れたため。余剰金は予定通り、消耗品、旅費、投稿料などに使用させていただきます。
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