2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of Sectm1a in the lung during penumococcal pneumonia
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18K15933
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鎌田 浩史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60528545)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Sectm1a / 肺炎球菌 / 気道上皮細胞 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、肺炎球菌感染マウス肺から好中球を単離し、ex vivoでリコンビナントSectm1a-Fcキメラ蛋白でこれらの単離された好中球を刺激し、好中球の各種サイトカインの産生を測定する実験系において、Sectm1aが好中球遊走に関わるケモカインの産生を調整することを報告している。そして、Sectm1aが生体における肺炎球菌に対する生体防御にどの程度、そしてどのような機序によって寄与するかを機能欠失のシステムを構築してより詳細に検証していくことがその先の課題であった。 本研究では申請者らが独自に作成したSectm1aノックアウト(KO)マウスを用いてSectm1aが肺炎球菌感染時に生体の防御機構に及ぼす影響の程度、そして、その機序についての解明を試みた。 具体的には、まず野生群とKO群での生存率の差異の評価、そして、BAL液および全肺中の免疫細胞の総数、分画を詳細に評価した。また、生存率と関連して、肺炎球菌感染後の肺内の菌量の時間的な推移を計測した。その結果、Sectm1aは好中球の肺内への遊走と細菌の肺からの排除に大きな作用を及ぼす可能性が示唆された。また、これまで報告されていない、細菌感染時のSectm1aの気道上皮細胞における産生細胞を蛍光免疫染色により同定することに成功した。 今後は肺炎球菌感染後、気道上皮の特定の細胞集団が産生したSectm1aがどのように肺内の免疫細胞に作用し、最終的に好中球の集積、そして肺内の細菌の排除に影響を及ぼすかを解明することが課題となる。
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