2019 Fiscal Year Research-status Report
Effectiveness of parp inhibitor and elucidation of carcinogenic mechanism on malignant mesothelioma
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18K15938
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部) |
Principal Investigator |
南 大輔 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 呼吸器内科医師 (80727470)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Okadaらの方法(Br J Cancer 1989; 60: 708–11)によりラット悪性腹膜中皮腫を作製し、ラジウムを含む微量元素の解析を行った。鉄およびキレート剤を反復投与した10匹のラットのうち、5匹で悪性腹膜中皮腫が確認された。得られた悪性腹膜中皮腫検体は免疫染色(Calretinin, CEA等を使用)、電子顕微鏡による観察において上皮型であることが確認されており、DNA酸化損傷マーカーである8-hydroxy-2’-deoxyguanosine (8-OHdG)による免疫染色においてDNA酸化損傷がおこっていることが確認されているものを使用した(Cancer Sci. 2015;106(10):1296-302)。微量元素ではコントロール群(正常ラット腹膜)と比べて悪性腹膜中皮腫ではFe、Co、Znの含有量が多く発癌への関与が疑われた。一方でPr、Pb、Liの含有量はコントロール群と比べて悪性腹膜中皮腫では少ない傾向にあった。 また良性石綿胸水細胞株であるMet5Aおよび悪性胸膜中皮腫の細胞株であるH2052、H28 およびH290よりDNAを抽出し、次世代シークエンサーによるゲノム塩基配列情報を取得した。網羅的遺伝子解析により、Notch1、NTRK1、EXO1、LRP1B、EPHA3、FGFR3、PDGFRAなどを含む多数の遺伝子に変異が見つかり、悪性胸膜中皮腫の発癌機構に関与していることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微量元素、細胞株における検討を繰り返し行ったことにより、当初予定していた皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデルなどのin vivoの実験を行うことができなかった。また、臨床検体における検討を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoによる追加検討(皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデル) ならびに、臨床検体を用いての次世代シークエンサーによる網羅的癌遺伝子解析、発癌機構の検討を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
in vivoによる追加検討(皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデル) ならびに、臨床検体を用いての次世代シークエンサーによる網羅的癌遺伝子解析、発癌機構の検討を行う予定としている。
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