2018 Fiscal Year Research-status Report
Papainを用いた喘息・COPDオーバーラップ(ACO)マウスモデルの構築
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18K15946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平石 尚久 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90783514)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ACO / 喘息 / COPD / papain / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、喘息およびCOPD両者の特徴をもつ疾患群であるAsthma-COPD Overlap (ACO)について、未だ確立されていないACOマウスモデルの作成を目的としている。 システインプロテアーゼであるPapainを用いたマウスモデルについては、濃度・投与回数についての予備的検討を行った後、papainの継続的な気道内投与により、ACO類似病態のマウスモデルを作ることに成功した。 このモデルでは、①肺組織所見における気腫性変化および好酸球性の炎症細胞浸潤を伴う胞隔炎、②呼吸機能検査における肺コンプライアンスの上昇、③気管支肺胞洗浄(BAL)液中の白血球細胞分画における好酸球分画の上昇、④気道過敏性の亢進、⑤体重増加の減弱、といった所見が確認された。これらはACOとしての臨床的特徴が満たされるものであり、非常に有用な実験系であることが期待される。 今後は、肺組織での遺伝子発現変化の解析(Real-time PCR、RNA-seq)、肺胞洗浄液中の炎症性サイトカインの定量(ELISA)等を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
papainの継続的投与で構築された本研究でのマウスACOモデルでは、上述の通り、①肺組織所見における気腫性変化および好酸球性の炎症細胞浸潤を伴う胞隔炎、②呼吸機能検査における肺コンプライアンスの上昇、③気管支肺胞洗浄(BAL)液中の白血球細胞分画における好酸球分画の上昇、④気道過敏性の亢進、⑤体重増加の減弱、といった所見が確認された。これらはACOとしての臨床的特徴が満たされるものであり、非常に有用な実験系であることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、肺組織での遺伝子発現変化の解析(Real-time PCR、RNA-seq)、肺胞洗浄液中の炎症性サイトカインの定量(ELISA)、血中イムノグロブリン量解析(ELISAによるIgEやIgG subsets測定)、 肺胞洗浄(BAL)液の細胞および従属リンパ節細胞のプロファイル評価(FACS、免疫染色)などを行うことを検討している。 また、papain投与のモデルを基軸とし、さらに追加で気道に刺激を与えることで、実臨床におけるACO患者に上気道炎が生じた(喘息増悪を想定した)モデルについても、あわせ実験系の構築を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
実験系としては計画通りに推移しているが、マウス実験の追試を(人員の関係で)翌年度以降に予定したため、次年度使用額が生じた。翌年度分として今後使用の予定である。
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