2018 Fiscal Year Research-status Report
多角的なプロテオーム解析による特発性間質性肺炎の分子発現解明と臨床応用
Project/Area Number |
18K15947
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
穗積 宏尚 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40771457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / プロテオミクス / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
[1]特発性肺線維症(IPF)における疾患進行および予後を予測する血清バイオマーカーの開発 LS-MS/MSを用いたショットガンプロテオミクス法にて、IPF患者の気管支肺胞洗浄液中に検出されるタンパク群を網羅的に同定し、臨床情報や重症度との関連を解析した。特に重症例や疾患進行速度が速い症例、予後不良症例で高いシグナルを示したペプチド/タンパクのうち、ELISA法で測定可能な26種類に注目し、患者血清中の候補タンパク濃度を測定した。その結果、約10のタンパクが健常人血清と比較して、IPF患者で有意に高値を示した。さらに、この中でタンパクA、タンパクB、タンパクCは、IPF患者の1年後の肺機能の悪化や予後不良と有意に関連することが分かった。また、免疫組織染色の結果から、これらの3つのタンパクは健常コントロール肺において発現が乏しい一方、IPF患者の肺組織には高度に発現していることが明らかになり、特にfibroblastic fociや線維化領域周辺での発現が強く、IPFの病態への関与が示唆された。今後は、この結果を検証すべく、多施設共同でのValidationを検討している。
[2]IPFにおける早期診断に有用な病理組織または血清バイオマーカーの開発 IPF患者から外科的肺生検によって採取された肺組織を用いてショットガンプロテオミクス法にて患者特異的に組織発現するタンパク分子を探索中である。現在、組織から効率よくタンパクを抽出する方法や、発現レベルを比較する手法を開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた特発性肺線維症の疾患進行や予後を予測するバイオマーカーの開発が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度に発見した血清バイオマーカーの有用性を多施設で検討することを予定している。 また、ショットガンプロテオミクス手法によって、血清や組織を用い たプロテオーム解析を行い、IPFやその他の間質性肺疾患の診断に貢献できるバイオマーカーを探索する予定である。
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Causes of Carryover |
研究室の移転のため、年度末に行う予定だった実験を延期したため。 組織や血清プロテオーム解析に使用する試薬等消耗品費として使用予定である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Nationwide cloud-based integrated database of idiopathic interstitial pneumonias for multidisciplinary discussion2019
Author(s)
Fujisawa T,Mori K,Kataoka K,Sugimoto C,Kitamura H,Enomoto N,Egashira R,Sumikawa H,Iwasawa T,Matsushita S,Sugiura H,Hashisako M,Tanaka T,Terasaki Y,Kunugi S,Kitani M,Okuda R,Horiike Y,Enomoto Y,Yasui H,Hozumi H,Suzuki Y,Nakamura Y,Fukuoka J,Johkoh T,Kondoh Y,Ogura T,Inoue Y,Hasegawa Y,Inase N,Homma S,Suda T
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Journal Title
European Respiratory Journal
Volume: 印刷中
Pages: 1802243~1802243
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Clinical Utility of Serum S100 Calcium Binding Protein A4 in Idiopathic Pulmonary Fibrosis2019
Author(s)
N. Akiyama, H. Hozumi, H. Yasui, M. Kono, Y. Suzuki, M. Karayama, K. Furuhashi, N. Enomoto, T. Fujisawa, N. Inui, Y. Nakamura, T. Suda
Organizer
ATS Conference 2019 - American Thoracic Society
Int'l Joint Research