2020 Fiscal Year Research-status Report
ドレブリン測定による肺癌診断法の開発と肺腺がんにおけるドレブリンの分子機能解明
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18K15954
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
猪山 慎治 熊本大学, 病院, 特任助教 (70806497)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非小細胞肺がん / ドレブリン / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドレブリン高発現であると、肺腺がん患者の予後が悪くなることが、前研究でわかっている。 非小細胞肺がん患者に対して、標準治療として免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1抗体、PD-L1抗体、CTLA4抗体を使用する機会が増え、その治療効果および副作用の少なさを実感している。免疫チェックポイント阻害薬の効果予測の有用なマーカーとして腫瘍のPD-L1発現や腫瘍内リンパ球のPD-L1発現およびTMB(tumor mutation burden)があるが、絶対的なマーカーではない。 非小細胞肺がん組織においてドレブリン発現は腫瘍細胞に見られるが、腫瘍内リンパ球にも発現があることに注目した。手術切除標本スライドを用いて腫瘍内リンパ球とドレブリン共発現を観察するため、蛍光色素を利用し、ドレブリン、CD3、サイトケラチンにて多重免疫組織化学染色を行った。多重染色解析ソフト (StrataQuest)を使用し、腫瘍内のドレブリン発現Tリンパ球予後についての解析を行った。少数例の検討では、術後再発との関連性がある可能性があり、今後症例数を増やし、解析を行っていく予定である。 腫瘍内のTリンパ球とドレブリンの解析をin vivoで行うため、ヌードマウス皮下に肺癌細胞株A549を移植し、腫瘍内リンパ球や脾臓中のリンパ球の解析を行い、ドレブリンと腫瘍免疫の関係性の解析する。ドレブリンが腫瘍免疫と関わっている可能性が高い場合は、免疫チェックポイント阻害薬を実際に腫瘍移植ヌードマウスに投与し、免疫細胞やサイトカインの解析を行う。免疫チェックポイント阻害薬治療前後の非小細胞肺がん患者の血液中の細胞をFACS解析でドレブリン発現リンパ球の解析を今後検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により、呼吸器内科としての臨床業務の時間が増加しているが、研究時間の確保を優先的に行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
非小細胞肺がん手術標本の多重染色症例を増やし、腫瘍内Tリンパ球におけるドレブリンの発現の解析を行い、術後再発や予後の解析を行う。 腫瘍細胞皮下移植ヌードマウスを使用したドレブリン解析も行っていく。
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Causes of Carryover |
研究計画の方向性を変更し、腫瘍免疫に注目したドレブリン解析を行ったため、使用計画が変更となった。抗体薬や解析等に使用する物品に使用することと、データ解析に必要なコンピュータに使用をしていく。
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