2018 Fiscal Year Research-status Report
タイト結合分子クローディンにより増強される小細胞肺癌の悪性形質とその分子機構
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18K15958
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クローディン / 小細胞肺癌 / 遺伝子導入 / 遺伝子ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者所属研究室で所有する小細胞肺癌(SCLC)細胞株TKB15、TKB16、TKB17、Lu135、Lu139及びH1688のクローディン4(CLDN4)の発現状態をウェスタンブロット法にて確認した。その結果、SCLC細胞株によってCLDN4の発現量に顕著な差があることが明らかとなった。この結果を踏まえ、CLDN4発現がほとんどみられなかったSCLC細胞株TKB15にレンチウイルスベクターを用いてCLDN4遺伝子を導入し、CLDN4を安定発現するTKB15を作成した。 一方で、CLDN4発現が顕著に発現していたSCLC細胞株H1688に対しては、CRISPR/Cas9法を用いたCLDN4遺伝子ノックアウトを試みた。遺伝子ノックアウト自体は成功しても、SCLC細胞株は一般的に増殖が遅く、シングルセルクローニングが難しいことから、ノックアウト細胞クローンの樹立は難航している。 CLDN4安定発現TKB15を用いてCLDN4がSCLCの増殖に与える影響を、まずPDL(Population doubling level)を測定することにより評価した。その結果、SCLCにおいてCLDN4の発現は細胞増殖に影響を与えない可能性が示唆された。 今後は作成したCLDN4安定発現TKB15、作成予定のCLDN4ノックアウト細胞株を用いて、CLDN4がSCLCの悪性形質にどのような影響を与えるのか、さらにはその詳細なメカニズムを明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CLDN4ノックアウト細胞株を未だ得られていない点で、当初の研究計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
CLDN4ノックアウト細胞株の作成がこれ以上難航する場合は、ノックダウンに切り替えることも検討する。 その後は、CLDN4安定発現細胞株及びCLDN4ノックアウト(ノックダウン)細胞株を用いて、SCLCの悪性形質におけるCLDN4の役割を種々の実験方法を用いて明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況がやや遅れていることに伴い、次年度使用額が生じた。 2019年度には翌年度分の助成金と合わせて使用し、研究の遅れを取り戻すよう努める。 具体的な使用計画としては、まずCLDN4ノックアウト(ノックダウン)細胞株の樹立のために使用する。その後はCLDN4安定発現細胞株及びCLDN4ノックアウト(ノックダウン)細胞株、種々の実験手法を用いて、SCLCにおけるCLDN4の機能解明のために使用する。
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