2020 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of malignant phenotype in small cell lung cancer enhanced by claudins
Project/Area Number |
18K15958
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺がん / クローディン / タイト結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイト結合を構成するクローディンは癌細胞・組織においては正常組織とは異なる発現パターンを示すことが知られている。小細胞肺癌においても肺の正常上皮とは異なるクローディンの発現パターンを示し、その中でもクローディン4に注目して本研究を行った。 複数の小細胞肺癌細胞株のクローディン4タンパク質の発現をウェスタンブロッティング法にて確認したところ、陽性の株と陰性の株、どちらも存在することが明らかとなった。そこで、まず陽性の株ではCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集法にてクローディン4ノックアウト株を作成し、陰性の株ではレンチウイルスあるいはレトロウイルスベクターを用いてクローディン4の安定発現細胞株を作成した。小細胞肺癌細胞株は基本的に浮遊傾向にあり、また細胞集塊を形成することが多いため、特にノックアウト株の作成には時間を要した。それらの細胞株をWST-8を用いた細胞増殖アッセイ及び創傷治癒アッセイに供した結果、小細胞肺癌においてクローディン4は細胞の増殖および遊走を抑制した。すなわち、クローディン4は小細胞肺癌においては悪性形質を抑制する方向に働くことが明らかとなった。 クローディン4の発現制御機構については不明であり、今後のさらなる検討が必要である。また、本研究は細胞培養系でのみの検討結果であり、動物実験系でも実際にクローディン4の悪性形質抑制効果がみられるかの検証、さらには実際の病理組織標本を用いた検討も今後必要であると考えている。
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