2018 Fiscal Year Research-status Report
The role of Fetuin-A on the progression of diabetic nephropathy
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18K15976
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三瀬 広記 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80807602)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病腎症 / Fetuin-A / バイオマーカー / 糸球体肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓特異的Fetuin-Aノックアウトマウスを用いて、血中を循環するFetuin-Aと各臓器でのFetuin-Aの発現などを評価した。 高脂肪食負荷を与えることで肥満モデルを作成したところ、肝臓特異的Fetuin-Aノックアウトマウスでは、WTに比べて体重増加や脂肪肝、インスリン抵抗性、糸球体肥大が軽減しており、既報に矛盾しない結果であった。更に、高脂肪食負荷かつSTZ(ストレプトゾトシン)投与により、肥満2型糖尿病モデルマウスを作成し観察したところ、肝臓特異的Fetuin-AノックアウトマウスとWTマウスでは、体重増加や血糖、インスリン抵抗性、脂肪肝に差は認められなかったが、糸球体肥大は肝臓特異的Fetuin-Aノックアウトマウスで有意に軽減されていた。 また尿中Fetuin-A排泄量は腎病理所見の中では糸球体係蹄面積と最も強い相関が認められた一方で、血清Fetuin-A濃度は腎病理所見との相関はみられなかった。尿中Fetuin-A排泄量は糖尿病腎症における糸球体肥大を反映するマーカーになる可能性があると考えられた。この他、ヒト腎生検コホートにおける腎病理所見と尿中Fetuin-Aとの関連や、大規模な多施設共同糖尿病コホートにおける尿中Fetuin-A排泄量の腎予後因子としての意義に関しても検討中である。これらの結果を総合的に検証することで糸球体肥大の原因となり得る、循環するFetuin-Aが糖尿病腎症における糸球体肥大の原因でありながらも腎予後を予測するようなバイオマーカーになり得るか検討できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究に対し熱心に取り組んだためと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
論文化を目指す。
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