2019 Fiscal Year Research-status Report
The investigation to reveal the influence of the frailty in patients with renal failure on prognosisando its mechanism
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18K15977
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 英実 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50794343)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フレイル / 腎不全 / 生命予後 / 入院リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢人口の増加に伴いフレイルがクローズアップされる一方で慢性腎臓病(CKD)や透析(ESRD)患者が増加し、社会的な問題となっているが、わが国のESRD患者におけるフレイルは未解決の部分が多く、①わが国のフレイルなESRD患者の予後を明らかにし、②フレイルのマイオカインやSirtuin、FGF-23-klotho-Wnt系を中心とした新規バイオマーカーの探索と新規マーカーが予後に与える影響を調査し、③腎不全モデルマウスや骨格筋細胞を用いて、尿毒素が骨格筋細胞に与える分子機構を検討することによって、腎不全がフレイルの成因に与える機序を解明することを目的に、今回我々は研究を進行している。 まず、透析患者のフレイルにおける予後解析に重点を置き、前向きコホート研究を施行している。日本版フレイル評価法(J-CHS index)を用いて、27か月までの予後を追跡できており、非フレイル患者に比べ、プレフレイル、フレイルの順に、統計学的に有意な生命予後の悪化を認めた。生命予後および入院に関して、年齢・性別・各種併存疾患を調整しても有意なハザード比の上昇を認めた。J-CHS indexにおいても予後を予測できることが証明できたことになる。この内容は2019年度日本透析医学会学術集会・総会で報告した。続いて、下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)の合併したフレイルに対する予後の評価を行っているが、フレイルにPADを合併することでフレイル単独あるいはPAD単独に比べ有意に生命予後及び入院のリスクが大幅に増悪することが判明した。死亡はフレイルあるいはPAD単独の約2倍であり、入院を伴うイベントはPADを合併したフレイルの約90%に達していた。この内容は2019年度米国腎臓学会で報告し、2020年度日本透析医学会学術集会・総会で報告する予定であり、研究論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、透析患者におけるフレイルの予後については詳細に明らかにすることができており、論文執筆中であるが、バイオマーカーとの関連についてはまだ明確な結果が出ていない。ここで新規バイオマーカーとフレイル、予後について明らかになったものを、今後の腎不全マウスモデルでの研究や骨格筋細胞実験で使用していくこととなるため、基礎研究に向けた検討も滞っている。腎不全モデルマウスは作成しており、マウスから筋肉を単離して現在その解析を遂行中である。 予後については順調に進行しているが、それ以外が遅れを取っているため、「(3)やや遅れている。」としました。
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Strategy for Future Research Activity |
患者のバイオマーカーとフレイルのプロファイルや予後との関連を明らかにしていく。バイオマーカーについては、マイオカイン(FGF21、Fstl1、Irisin、NDNF、IL-6、IL-15)、Sirtuinファミリー、FGF-23-klotho-Wnt系を検討している。腎不全モデルマウスについてはいくつかのマイオカイン、sirtuinの発現を検討していく予定である。
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[Book] Recent Advances of Sarcopenia and Frailty in CKD2020
Author(s)
Hidemi Takeuchi, Akihiko Kato, Eiichiro Kanda, Yoshihiko Kanno, Hiroshi Watanabe, Masahiro Kohzuki, Yugo Shibagaki, Atsuhiko Matsunaga, Hidetaka Wakabayashi, Hiroe Sato, Kunihiro Sakuma, Masami Yoshioka, Kazuhiro Tsuruya, Makiko Miyazaki
Total Pages
245
Publisher
Springer Nature
ISBN
978-981-15-2364-9