2019 Fiscal Year Research-status Report
To detect the early podocyte injury in human glomerulopathies
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18K15986
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡部 匡裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70595272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポドサイト / ポドサイト傷害 / EGR-1 / 糸球体疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト糸球体疾患において,早期ポドサイト傷害マーカーとしてのMAFFおよびEGR-1の有用性を見出すことを目的としている. 昨年度の研究により,抗体の問題でMAFF染色が困難であったため,EGR-1染色に絞って研究を進めている.EGR-1陽性ポドサイトを検出するためにヒト腎組織パラフィン切片を用いてWT1およびEGR-1の蛍光色素を用いた共染色を目指したが,バックグラウンドの自家蛍光や非特異的染色が強く,各種クエンチング試薬を用いるも良好な効果は得られなかった.そのため,既に条件が確立している,連続パラフィン切片に対して酵素抗体法での染色を行い,ポドサイトのEGR-1発現を検証することとした. 後ろ向き研究として,ヒト・ループス腎炎(III型あるいはIV型)症例 24例を用いてポドサイトEGR-1陽性糸球体率を比較した.EGR-1陽性糸球体率は1日尿蛋白量および細胞性/線維細胞性半月体糸球体率と正相関し,推算糸球体濾過量および血清アルブミン値と逆相関した.EGR-1陽性ポドサイトはLNの活動性が強い症例で多く認められ,急性病変と関連することが示唆された. 尿中ポドサイトマーカーとEGR-1発現との関連を検討するため前向き研究も施行しているが,現在症例エントリー中であり,約170症例の検体を得ている.今後,腎組織に対するEGR-1染色や尿中ポドサイトマーカーとしてネフリンmRNAやポドシンmRNAを測定し,その関連を検証していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト腎生検組織におけるポドサイトでのEGR-1染色検出が可能となっており,糸球体疾患の1つとしてループス腎炎に対して,臨床ならびに病理組織パラメータとEGR-1陽性ポドサイトとの関連評価を行うことが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
前向き研究に関しては,引き続きエントリー症例を募っていく.すでにエントリーしている症例に関しては臨床情報を得るとともに,保存されている腎生検組織検体に対してEGR-1染色・ポドシン染色を,尿検体に対してネフリンおよびポドシンmRNA測定を行っていく.後ろ向き研究に関しては,ループス腎炎以外にも症例を選別し,臨床情報を得るとともに,腎生検組織検体に対してEGR-1染色・ポドシン染色を行っていく.
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Causes of Carryover |
染色条件設定に時間を要し,組織染色ならびに尿検体ポドサイトマーカー測定を進められなかったため,次年度使用額が生じた. 次年度より組織染色および尿検体ポドサイトマーカー測定の量が増えるため,これらに必要となる試薬購入へ助成金を使用していく.
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