2019 Fiscal Year Annual Research Report
How does potassium regulate blood pressure through sodium-transporter?
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18K15995
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野村 尚弘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50735800)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カリウム排泄機構 / ナトリウム輸送体 / カルシニューリン |
Outline of Annual Research Achievements |
カリウム(K)摂取は血圧のみならず、心血管疾患や死亡リスクにも影響を与える。Kによる血圧調整には遠位尿細管に存在するナトリウム-クロライド共輸送体(NCC)が重要な役割を担っている。 (1)高K時のカルシニューリンの活性化について、Kによる細胞内カルシウム(Ca)輸送機構の解明。培養細胞を用いた実験で、細胞内Ca濃度の上昇はナトリウムカルシウム交換輸送体(NCX)を介して行われていることを突き止めた。さらに、NCXの阻害剤をマウスに投与することで、K負荷によるNCCの脱リン酸化及び、尿中K排泄の上昇がNCXの阻害により抑制されることを発見した。以上より、高Kによる尿中K排泄の増加は、NCXを介した細胞内カルシウムの増加ーカルシニューリンの活性化ーNCCの脱リン酸化という機序によって起こることを明らかとした。この成果は論文投稿中である。 (2) 低K時のWNK4の活性化について、クロライドチャネルがどのように関わるかをClC-Kチャネルの低発現マウスを用いた検討。ClC-Kチャネルのサブユニットであるbarttinのhypomorphicマウス(Bsndneo/neo)を用いた実験を行った。低K食摂取時にNCCは活性化されるが、この機序として、細胞内クロライド濃度の低下によるWNKキナーゼの活性化、さらにWNK4-SPAK-NCC経路の活性化が知られている。Bsndneo/neoマウスでは低K時のSPAK及びNCCのリン酸化亢進に乏しく、低カリウム時のWNKキナーゼの活性化にClC-Kチャネルが関わっていることを明らかとした。この研究成果は、すでに論文に掲載されている(Biosci Rep. 2018 Jan 30;38(1). pii: BSR20171243)。
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[Presentation] NCX1 を介した NCC の脱リン酸化と尿中カリウム排泄機構の解明2019
Author(s)
正田若菜, 野村尚弘, 安藤史顕, 田頭秀章, 岩本隆宏, 太田哲人, 磯部清志, 森崇寧, 須佐紘一郎, 蘇 原映誠, 頼建光, 内田信一
Organizer
第 62 回日本腎臓学会学術総会
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[Presentation] TNFαは腎臓でのWNK1 分解を抑制し慢性腎臓病の塩分感受性を亢進させる2019
Author(s)
古荘泰佑, 蘇原映誠, 萬代新太郎, 菊池寛昭, 高橋直宏, 藤丸拓也, 橋本博子, 新井洋平, 安藤史顕, 銭谷慕子, 森崇寧, 須佐紘一郎, 磯部清志, 野村尚弘, 岡戸丈和, 頼建光, 内田信一
Organizer
第 10 回分子腎臓フォーラム
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