2019 Fiscal Year Annual Research Report
lucidation of the mechanisms which cause deterioration of peritoneal function in peritoneal dialysis and development of a novel treatment by inhibiting neoangiogenesis.
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18K15997
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
狩谷 哲芳 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(医), 特任助教 (60805290)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腹膜透析 / 腹膜線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹膜機能低下は腹膜透析の継続を困難にし、腹膜透析患者の生命予後を悪化させる要因である。TGF-β1-VEGF-A経路の増強とそれによる血管恒常性の破綻が腹膜機能を低下させるという仮説の元、研究を行った。本研究では、腹膜機能低下においてTGF-β1がVEGF-A発現を増強する機構並びにVEGF-Aによる腹膜機能の低下機構を解明することを目的とした。 患者由来の腹膜組織、及び腹膜透析液を ELISA法を用いて解析した結果、腹膜平衡試験でD/P Crが高値を示す腹膜機能の低下群では有意に (1)腹膜透析液排液中のVEGF-A濃度、TGF-β1濃度は上昇する、 (2)腹膜組織中のCD-31陽性血管数は増加する、(3)腹膜組織中のVEGF-A mRNA発現は亢進している、事を明らかにした。TGF-β1-VEGF-A経路の増強とそれによる血管恒常性の破綻が腹膜機能を低下させる事が示唆された。正常ラット及びグルコン酸クロルヘキジン液の腹腔内投与によって作製するラット腹膜線維症モデル (CGモデル)の腹膜における低酸素を評価した。組織採取の90分前にピモニダゾールを静脈注射し、特異的抗体でその代謝産物を検出する手法を用いた。CGモデルでは腹膜壁に線維化を伴ってED-1陽性マクロファージが増加し、そのマクロファージに一致して低酸素領域を認めた。また、CGモデルにTGF-βI型受容体阻害薬(LY364947; Sigma-Aldrich)を投与した群では、有意に低酸素領域が減少していた。腹膜線維化の過程では腹膜中皮、マクロファージ、線維芽細胞が優位に増加するため主要な役割を持つと考えられる。マクロファージでは腹膜線維症の過程で誘導されるTGF-β1が直接的に低酸素を介してVEGF-A産生を誘導することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)