2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K16006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
畔上 達彦 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 助教 (60573376)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アンメット・メディカル・ニーズの高い糖尿病性腎症の予防・治療を目的とした治療ワクチンの開発を目指している。2018年度の研究計画においては、(1)ワクチン抗原の作成,(2)抗体誘導能の評価 を行う予定であり、計画通り順調に研究を遂行できている。 ワクチン抗原の作成にあたっては、文献検索にて糖尿病性腎症の発症・進展に重要な役割を果たすと考えられる内因性物質を選定し、さらに同物質の立体構造解析から細胞表面に露出している部位を探索した。得られたエピトープ候補の中から、Hopp/Woods antigenicity scoreおよびParker antigenicity scoreを用いて高い抗原性が予測される配列を4つ同定した。この4つの抗原候補ペプチドを合成し、抗原性を確保するために、マレイミド基を介してキャリア蛋白であるKLHに結合させた。 抗体誘導能の評価にあたっては、完全・不完全フロイントアジュバントを利用して、雄DBA/2Jマウスに2週毎に計3回皮下免疫注射を行い、免疫終了後に血液を採取して、血清IgG抗体価を測定した。抗原特異的IgG抗体価の測定には、ELISA法を用いた。固相化抗原の濃度や血清反応時間などを調整し、オリジナルの抗体価測定方法を確立した。現在、4つの抗原候補は、上述の免疫方法・抗体価測定方法にて、効率よく抗原特異的IgG抗体価を誘導することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究内容を順調に遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、実際に抗原候補を免疫したうえで、免疫接種終了後にストレプトゾトシンを投与し、糖尿病を誘導する。その後、8-12週の時点で、尿中アルブミン排泄量を評価し、糖尿病性腎症に対するワクチンの効果を検討する。なお、この時点も最も効果が得られた抗原候補に絞って、以降の検討(免疫条件の最適化)を行うこととする。
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