2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K16006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
畔上 達彦 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 助教 (60573376)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アンメット・メディカル・ニーズの高い糖尿病性腎症の予防・治療を目的とした治療ワクチンの開発を目指している。2018年度に行った研究成果(ワクチン抗原の作成,ワクチンによる抗体誘導能の評価)を踏まえ、2019年度には、(1)免疫条件の最適化、(2)糖尿病性腎症に対する予防効果の検討 を行った。
(1):免疫条件を比較検討した結果では、ワクチン抗原20μgをフロイントアジュバントとともに、隔週で合計3回皮下注射投与することで、高い抗体価が得られることが分かった。
(2):雄C57BL/6Jマウスに、4, 6, 8週齢時に、皮下注射免疫(ワクチン群:ワクチンを接種、コントロール群:キャリア蛋白であるKLHのみを接種)を施し、10週齢時にストレプトゾトシンを投与して糖尿病の発症を誘導した。ワクチンの糖尿病性腎症に対する予防効果を尿中アルブミン排泄,組織学的解析により検討した。検討の結果、ワクチン接種群では、コントロール群と比較して、有意に尿中アルブミン排泄量が少なく、組織学的検討においては、糸球体腫大,メサンギウム基質拡大,糸球体基底膜肥厚が有意に軽減されており、ワクチン接種による糖尿病性腎症の予防効果が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究内容を順調に遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、当初の予定通り、(1)糖尿病性腎症に対する治療効果の検討 (2)抗体価の経時的変化の観察 (3)誘導された抗体の作用解析を行う。 (1):現在、db/dbマウスを購入しており、尿中アルブミン排泄を確認後に、ワクチンを接種する予定である。 (2):長期間の経過観察用に、既に免疫を施したマウスを飼育中である。今後、定期的に採血を行い、抗体価を確認する。 (3):マウスのメサンギウム細胞を用いたin vitro実験を行う予定である。
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