2018 Fiscal Year Research-status Report
ラット腎移植拒絶反応モデルにおける血管内皮細胞カベオリン1発現の意義に関する検討
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18K16011
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 泉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60600468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗体関連型拒絶反応 / カベオリン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本件研究はラット抗体関連型拒絶反応モデル(8週齢のBNラットから8週齢LEWへの移植)を用いて,傍尿細管毛細血管におけるCaveolin-1の発現の意義を解明することを目的とする.【方法及び対象】本年度は、事前感作モデル(皮膚移植による感作)および無感作モデルにおいて、IHCによる病理組織学的評価を行った.具体的には,皮膚感作モデルの移植後48時間,72時間,96時間後のグラフトと無感作モデルの移植後7日のグラフトをサンプルとして用いた.Caveolin-1に対する抗体は,polyclonal抗体(clone: N20)の販売が中止となったため,monoclonal抗体(clone: 7C8)を用いた.なお,病態モデル以外にコントロールとして,Native kidney(Donor 0 hour kidney)を使用した.【結果】染色抗体は抗caveolin-1抗体(sc53564, clone: 7C8)を使用し,添付文書に従い希釈倍率は100倍および200倍の両者を比較した.Native kidneyのみ高濃度(推奨濃度内で最も濃い濃度)の50倍を実施した.希釈倍率の検証では100倍希釈が適切な濃度と考えられた.小葉間レベルの血管は一次抗体を添加しない場合にも染色されるため、評価は困難であった.糸球体に関しては,Naive kidney,Rejected kidneyともに染色されたが,Rejection modelでより強い染色性を認めた.傍尿細管毛細血管の染色が最も強かったのは,無感作モデルにおけるDay 7 Kidneyであった.感作モデルではより早期に出現している可能性が考えられた.今後Caveolin-1の拮抗薬であるDaizeinによる介入を予定しているが,上記の結果からは, Day 2or3の早期あるいはDay 7における評価が妥当と考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
polyclonal抗体(clone: N20)の販売が中止となったため,monoclonal抗体(clone: 7C8)を使用せざるを得なかった。そのため、染色の条件設定に時間を割かざるを得なかった。現在ウエスタンブロットの条件設定を行っているが、より時間を短縮して実施可能なシンプルウエスタン(Simple WesternTM)を用いて条件設定を行っている。リアルタイムPCRの条件設定の準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、プレリミナリ―に実施したラット抗体関連型拒絶反応モデルの検体を用いて、ウエスタンブロット、リアルタイムPCRの条件設定を実施する予定である。また、時間短縮を目的として、現在ウエスタンブロットについては、通常の方法とシンプルウエスタンによる条件設定を実施している。これら測定系の手技が安定したところで、Caveolin-1阻害剤(Daizein)を投与した群としなかった群での比較検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
aveolin-1に対する抗体は,polyclonal抗体(clone: N20)の販売が中止となったため,monoclonal抗体(clone: 7C8)を用いる必要があった。そのため、免疫染色の条件設定に時間を費やす必要があった。現在ウエスタンおよびリアルタイムPCRの条件設定を実施しており、必要な物品など順次購入中である。
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