2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎症進展における糸球体内皮上皮連関機序の解明
Project/Area Number |
18K16015
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40412176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎臓病 / Inflammasome / podocyte |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎臓病に対する基礎研究から糸球体上皮細胞障害が腎不全に至る糸球体硬化病変の形成に重要であることが判明している。また糸球体上皮細胞におけるミトコンドリアストレス蓄積が糸球体硬化が関与する。このため糸球体内皮細胞から上皮細胞へ何らかの関与が想定されるが、糸球体上皮細胞におけるミトコンドリアストレス蓄積の機序に及び内皮細胞の関与に関しては不明である。その一つの機序としてInflammasomeに着目した。自然免疫システムの一つであるInflammsomeが腎障害進展に関与することが種々の動物モデルで解明されている。 本研究ではストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病モデル作成し検討を行っている。使用動物はC57BL/6でWT及びeNOS欠損マウス(eNOSKO)を用いた。両マウスにSTZを投与行い、WT-Con, WT-STZ, eNOSKO-Con, eNOSKO-STZの4群を作成。高血糖確認後、4週ではWT-STZで軽度のアルブミン尿増加を認めたがeNOSKO-STZではさらに増加していた。また、PAS染色で糸球体病変の観察を行ったところeNOS-STZでのみ4週の時点で硬化糸球体が散見された。Inflammasome の評価を行うため単離糸球体を行いNLRP3関連遺伝子発現を検討した。興味深いことにeNOS-STZでのみこれらの遺伝子発現上昇と認めた。さらに、eNOS-ASC二重欠損マウスにSTZ投与糖尿病モデルを作成し腎障害の検討を行った。eNOSKO-STZで認めた糸球体硬化病変はeNOS-ASC-DKO-STZでは軽減されていた。これらの結果から内皮機能障害はインフラマソーム活性化を介して糸球体硬化病変形成を促進させていた。以上のことからInflammasome活性化制御が腎障害進展を抑制しうることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進行しているがASC floxマウスの搬入が遅れて2019年4月に搬入となったため現在交配中である。
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Strategy for Future Research Activity |
糸球体上皮細胞特異的なASC欠損マウスを使用し検討を予定している。搬入済みであり今年度中に結果を公表したい。
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Causes of Carryover |
ASC floxマウスの搬入が遅れたため搬入費用などが2019年度になったため。
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