2021 Fiscal Year Annual Research Report
A mechanism regulating immunosuppression associated with defective epidermal barrier function
Project/Area Number |
18K16018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石塚 洋典 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (50778628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 角化 / 抗酸化応答 / 末梢免疫 / TGF-β / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
95以上を角化細胞(KC)が占める表皮の細胞間隙にはランゲルハンス細胞(LC)やT細胞など、免疫反応を司る主要なエフェクター細胞が存在する。特にLC/T細胞が表皮に定着し、十分なエフェクター機能を発揮するためには角化細胞の細胞膜ー微小線維を係留するインテグリンを介したTGF-βの活性化が肝要である。TGF-βは獲得免疫の活性化にとって最も大事なサイトカインの一つであるが、その活性化は細胞-細胞の直接接触を介した細胞外マトリックスを介した活性化により厳密に制御されている。従って表皮微小環境におけるLC/T細胞の活性化機序を理解することは、上皮細胞を介した樹状細胞恒常性の制御機構を知ることにもつながり、経皮免疫誘導/抑制を行う際の重要な構造生物学的な基盤を形成することとなる。 申請者らは、表皮分化主要蛋白であるロリクリンを欠くマウス(LKOマウス)を用いて、ロリクリンが表皮の角質化のみならず、表皮内におけるTGF-βの生体利用効率を制御することによって免疫反応を制御する可能性を見出した。この結果により、研究補助金受領期間において、1. 表皮の酸化的傷害によるアトピー性皮膚炎の病態形成(Ogawa and Ishitsuka et al. J Immunol. 2020: 907-914.)、2. 表皮角質化による変異原の除去(Ogawa and Ishitsuka et al. J Invest Dermatol. 2021)、3. 角層の接着/コンパクト化の制御(Ishitsuka and Ogawa et al. JID Innov. 2021: 100065.)など、研究結果を査読付き英文誌に掲載することが出来た。今後は基盤研究に移行し、表皮の構造と動態に着目し、皮膚の免疫制御機構を多方面から検討する予定である。
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