2018 Fiscal Year Research-status Report
Single cell transcriptome analysis on circulating mesenchymal stem cells during tissue regeneration
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18K16027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新保 敬史 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70780609)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞 / 単一細胞網羅的遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
損傷治癒は、複数の反応が協調的に制御され進む極めて複雑な生体反応である。その中で最も重要な過程は、失われた組織を再構築するための細胞の計画的な供給であるが、そのメカニズムに関しては未解明な点が多い。申請者らは、VII型コラーゲン遺伝子変異による遺伝性疾患、栄養障害型表皮水疱症の新規治療法確立を目指すなかで、広範囲に壊死を伴うような環境では末梢循環を介した骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞の供給が損傷組織再生に重要であることを発見した。組織再生の過程で多様な役割を担うことから、骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団は複数の機能的亜集団によって構成されているとの着想を得た。本研究では、組織再生に関わる末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞における単一細胞網羅的遺伝子発現解析により機能的亜集団を網羅的に同定し、本細胞の包括的な理解を試みる。また得られた知見をもとに高効率新規表皮水疱症治療法の確立も目指す。 本研究では、単一細胞網羅的遺伝子発現解析により末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞が組織再生を促進するメカニズムを解明することを目指す。末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞が多様な役割を担っていることから、複数の機能的亜集団が存在し協調的に組織再生を担っているとの着想を得た。その仮説を証明するために、単一細胞網羅的遺伝子発現解析により末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞に存在する機能的亜集団を遺伝子発現情報により網羅的に同定する。具体的には以下の二つのサブテーマを達成することを目指す。 1.組織損傷やHMGB1ペプチド投与による組織再生誘導時に末梢血中に増加する骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団中に存在する機能的亜集団の網羅的同定 2.多様な役割を担う骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞の動員された損傷組織内における分化系譜の網羅的同定
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、以下の実験に取り組んだ。 1,PDGFRα-GFPノックインマウス(PαKI)を用いた末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団に対する単一細胞網羅的遺伝子発現解析。2,上記1のデータ解析。3,表皮水疱症モデルマウス治療系における末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団に対する単一細胞網羅的遺伝子発現解析 1に関しては当初技術的に難しかったが、実験系を工夫することによりデータ取得することに成功した。2として取り組んだ単一細胞網羅的遺伝子発現データの解析は、いまだ標準化されておらず多くの検討を必要とした。平成30年度の検討により、末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団の解析に適した手法を確立することができた。3に関しては、表皮水疱症の持続的な損傷をモデリングする系として皮弁モデルを用いて末梢循環骨髄由来PDGFRα陽性間葉系幹細胞集団の解析を行った。
実験手法、解析手法の最適化を図る必要性は生じたが、上述のように研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、順調に進展している。平成30年度までに蓄積したデータ、経験をもとに研究をさらに加速できるよう全力で取り組む。
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Research Products
(1 results)