2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム解析による尋常性白斑の発症メカニズム解明と新規治療への応用
Project/Area Number |
18K16029
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
楊 伶俐 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (40711784)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尋常性白斑 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)尋常性白斑病変部皮膚から単離してきたケラチノサイトの初代培養培地の解析: 本研究に書面にて同意が得られた大阪大学市立大学付属病院と連携皮膚科クリニック皮膚科外来通院中の尋常性白斑患者(白斑病変部)および同年代健常人の皮膚を3mmパンチで皮膚組織を採取して、表皮ケラチノサイトを単離した。その後、無血清ケラチノサイト培地とCollagen-coated Dishにて37℃インキュベーターで4日間培養後、培養上清を回収、Total Exosome Isolation Kit (Thermo Fisher社)によりエクソソームを濃縮、回収した。得られたエクソソームをエクソソームマーカー(CD63、Alix、Tsg101など)に対する抗体を用いてウェスタンブロッティグ、さらに、この画分を電子顕微鏡で観察し、直径30~100nmの二重膜顆粒であることを確認できた。確認されたエクソソームについて、microRNAを抽出と精製を行った。 (2)尋常性白斑患者病変部位から皮膚サクションブリスター液の解析: 本研究に書面にて同意が得られた大阪大学市立大学付属病院と連携皮膚科クリニック皮膚科外来通院中の尋常性白斑患者(白斑病変部、健常部)および同年代健常人の皮膚を表皮水疱(サクションブリスター)を作成してもらった。注射針でサクションブリスター液だけを回収し、Total Exosome Isolation Kit (Thermo Fisher社)によりエクソソームを濃縮、回収できた。得られたエクソソームをエクソソームマーカー(CD63、Alix、Tsg101など)に対する抗体を用いて同様にウェスタンブロッティグ、この画分を電子顕微鏡で観察し、直径30~100nmの二重膜顆粒であることを確認した。確認されたエクソソームについて、microRNAの抽出と精製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体からの培養培地やサクションブリスター液を用いて、高精度のエクソソームを抽出と精製するため、いろんな回収方法を試して評価してみる必要がありまして、少し時間がかかりました。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的解析により候補遺伝子、タンパク質を同定し、in vitro機能解析 上記網羅的microRNAとプロテオーム解析で遺伝子やタンパク質発現プロファイリングにより、申請者らがこれまで培ってきた解析技術を用いて、尋常性白斑表皮エクソソームに高発現/低発現するタンパク質を同定する。具体的には、サブトラクトされたタンパク質について、Gene Ontologyに基づく分類、およびIngenuity Pathways Analysis (IPA)ソフトウェアを用いたhypothetical network解析を行う。さらにターゲットとした疾患関連タンパク質を決定できれば、ヒト皮膚表皮正常メラノサイト(HEMn-MPs)を用いて、標的タンパク質の発現異常の色素細胞への傷害性(色素産生能の低下、色素細胞の死滅)をin vitroにて機能解析する。また、外用療法、紫外線治療などの標準的治療介入をされた患者皮膚組織よりも同様な方法でエクソソームを回収し、プロテオーム解析より同定した疾患関連タンパク質の発現を確認する。その後、得られた解析結果と症状改善度、活動性に有無などの臨床データを照合させることにより、疾患の発症機構そして治療効果に関わるエクソソーム内分子の同定に繋げたい。
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