2018 Fiscal Year Research-status Report
足底メラノーマの病態にせまる:物理刺激が足底の真皮マトリックスに及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
18K16055
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
皆川 茜 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (80467183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 色素細胞母斑 / メラノーマ / 悪性黒色腫 / 皮膚病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1997年から2015年に信州大学皮膚科を受診し、病変の切除術を受けた足底の表皮内メラノーマの症例の抽出を行った。21例を抽出することができた。2011年から2015年に信州大学皮膚科を受診し、皮膚生検を行った色素細胞母斑の症例抽出を行った。40例を抽出することができた。それぞれの症例について、年齢、性別、病変の詳細な部位、荷重の有無などについて、カルテから情報を抽出しリストを作成した。検体ブロックの良好なものから順に表皮内メラノーマと色素細胞母斑それぞれ20例を選別し、病理標本を作製した。H&E染色とともに、エラスチカワンギーゾン染色、S100タンパク、MART1、HMB45の免疫染色をおこなった。H&E染色標本で病変近傍の表皮および真皮の厚さを計測した。エラスチカワンギーゾン染色標本で真皮繊維の性状を観察し、定量化を試みた。S100タンパク、MART1、HMB45染色標本で、病変近傍の表皮内メラノサイトの定量化を試みた。解析の結果、表皮内メラノーマと色素細胞母斑で、病変近傍の表皮および真皮の厚さに違いは認められなかった。表皮内メラノーマでは、病変および病変近傍の真皮浅層にエラスチカワンギーゾン染色で濃染する陽性物質の沈着が見られた。表皮内のS100タンパク、MART1、HMB45染色陽性細胞、すなわちメラノサイトの数の測定を数例で行い、表皮内メラノーマと色素細胞母斑で大きな差がないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病理標本による足底皮膚の定量化はおおむね計画通りに進んでいる。皮膚検体を用いた物質測定については手技などについて検索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はさらなる症例抽出を行い、検体ブロックの状態を確認しながら病理標本の作製を進めていく。表皮内のS100タンパク、MART1、HMB45染色陽性細胞、すなわちメラノサイトの数の測定を行い、表皮内メラノーマと色素細胞母斑で差がないかを検証する。皮膚検体を用いた物質測定について、手技の検索を進める。
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Causes of Carryover |
平成30年度は主に病理標本の解析を行ったため、物品費の支出が少なかった。次年度使用額は平成31年度請求額と合わせてデータ整理のためPC購入費として使用する予定である。
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