2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of effects of mechanical stress on plantar dermal matrix
Project/Area Number |
18K16055
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
皆川 茜 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (80467183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 色素細胞母斑 / メラノーマ / 悪性黒色腫 / 皮膚病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、過去に信州大学皮膚科を受診し、病変の切除術を受けた足底の表皮内メラノーマ、および色素細胞母斑の症例の抽出を行った。それぞれの症例について、年齢、性別、病変の詳細な部位、荷重の有無などについて、カルテから情報を抽出しリストを作成した。検体ブロックの良好なものから順に、病理標本を作製した。H&E染色とともに、エラスチカワンギーゾン染色、S100タンパク、MART1、HMB45の免疫染色をおこなった。H&E染色標本で病変近傍の表皮および真皮の厚さを計測した。エラスチカワンギーゾン染色標本で真皮繊維の性状を観察し、定量化を試みた。S100タンパク、MART1、HMB45染色標本で、病変近傍の表皮内メラノサイトの定量化を試みた。本年度は足底の詳細な部位ごとに、病理所見の解析を行った。また患者年齢による病理所見の差異を検討した。解析の結果、足底の踵とそれ以外の部位の比較において、病変近傍の表皮および真皮の厚さに有意な違いは認められなかった。若年者と高齢者の比較において、病変近傍の表皮および真皮の厚さに有意な違いは認められなかった。高齢者の表皮内メラノーマでは、病変および病変近傍の真皮浅層にエラスチカワンギーゾン染色で濃染する陽性物質の沈着が見られる症例があったが、定量化による差異の検出手法を確立することができなかった。病変近傍の表皮内のメラノサイトはメラノーマにおいて、有意な増加は認めなかった。比較対象として、顔面皮膚でも検討を行ったが、メラノーマ病変近傍で有意なメラノサイトの増加は認めなかった。
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