2019 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎発症因子解明のためのラマン分光計を用いた乳児期角層の解析
Project/Area Number |
18K16073
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
吉田 和恵 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 診療部長 (70383776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 新生児 / 乳児 / 皮膚バリア / 共焦点ラマン分光計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新生児期から共焦点ラマン分光計による角層内因子の解析を行い、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患の発症との相関を解析することを目的としている。共焦点ラマン分光計は共焦点ラマン分光計を用いることで、非侵襲的にin vivoで角層水分量、天然保湿因子、尿素、ウロカニン酸、セラミド、コレステロールなどを角層内の濃度勾配も含めて解析すること可能であるが、1回の測定に数分間測定部位を静止する必要がある。そのため、新生児、乳児では、測定中に動いてしまうことが多く、成人と比較して安定した測定データを得ることが困難であった。昨年度、新生児、乳児において安定したデータを検討した共焦点ラマン分光計による測定条件で、今年度は、各個人ごとに0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と継時的にデータを取得する研究を開始した。2020年3月時点で、新生児45名のリクルートを完了している。そのうち、生後1ヶ月 40名、2ヶ月 35名、6ヶ月 10名の測定が終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共焦点ラマン分光計による測定では、1回の測定に数分間測定部位を静止する必要がある。そのため、新生児、乳児では、測定中に動いてしまうことが多く、成人と比較して安定した測定データを得ることが困難であった。昨年度は新生児、乳児における測定条件の検討を検討した。その検討結果に基づき、本年度より、各個人ごとに0ヶ月から12ヶ月の継時的にデータを取得する研究を開始したため、当初の予定から遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在リクルートが完了している新生児40名については、生後0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と継時的に新生児期から乳児期にかけて共焦点ラマン分光計による角層内因子の解析を行い、新生児期から乳児期にかけての角層バリアの変化を追っていく。また、角層内因子とアトピー性皮膚炎発症との関連について探索する。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、アレルギー疾患におけるハイリスク乳児の出生コホート研究の参加者を対象としていたが、ラマン計 測定には測定部位を静止する必要があり、乳児での測定が困難であったため、2018年度は乳児における測定条件の検討 を行った。測定条件を確定して、2019年度より新生児のリクルートを開始し、12ヶ月まで継時的に測定を続けるには20 20年度も研究を続ける必要があるため、次年度使用額が生じた。研究補助員の人件費が必要であるため、人件費などに使用予定である。
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Research Products
(1 results)