2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating the molecular mechanisms underlying the clonal evolution of leukemic stem cells
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18K16084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
昆 彩奈 京都大学, 医学研究科, 助教 (20772403)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 急性骨髄性白血病 / クローン進化 / RCAS/TVAシステム / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄異形成症候群(MDS)および急性骨髄性白血病(AML)は、加齢に伴い造血幹細胞に遺伝子変異が蓄積して発症する腫瘍性疾患であり、高齢化に伴い患者数が増加している。本研究では、遺伝子変異を獲得した造血幹細胞がクローン選択をうけて、さらなる遺伝子異常を生じてクローン進化し、多様性をもったMDS/AML細胞集団が形成される分子メカニズムを解明することを目的としている。 本年度は、第一に、白血病融合遺伝子MLL-AF9を遺伝子導入したマウス造血前駆細胞を骨髄移植したマウスモデルを作成し、白血病細胞を繰り返し経代移植を行う各時点で、白血病細胞の有する遺伝子異常を全エクソン解析により網羅的に検出することを通じて、クローン構成の変化を追跡した。継代移植を重ねるのにしたがって、白血病発症に至る期間の短縮と病勢の進行が認められ、その背景では、白血病細胞が、Ptpn11, Braf, Gnb2をはじめとする複数の遺伝子変異を生じ、各クローン集団における遺伝的多様性の獲得に寄与したことを明らかとした。(Kotani, Kon et al., Leukemia 2018) 第二に、白血病クローン進化過程を、骨髄移植を用いないより生理的な実験系でモデリングするために、Rcas/TVAシステムを用いて造血幹細胞特異的遺伝子導入モデル動物の作成を行った。白血病のドライバー遺伝子に対するshRNAを発現するウイルスベクターを経静脈的にマウスに感染させ、経時的に末梢血での蛍光マーカーを追跡することにより、造血幹細胞に遺伝子変異を導入できたことを確認した。本モデルは、少数の造血幹細胞にin vivoで遺伝子変異を導入し、初期の遺伝子異常の獲得からがん発症・進展に至るまでの挙動を評価するのに有用なモデル動物になりうると期待され、今後、クローン選択の変遷の解析や、分子病態の解明を進める方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、白血病融合遺伝子MLL-AF9を遺伝子導入したマウスモデルを用いて、経代移植により白血病細胞がクローン選択される過程をモデリングし、その背景にある遺伝学的な多様性を明らかにし、論文発表を行った。また、当初の予定通り、Rcas/TVAシステムを用いた造血幹細胞特異的遺伝子導入モデル動物を作成し、白血病のドライバー遺伝子を経静脈的にマウスに感染させることに成功した。このように、本研究は予定通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに、Rcas/TVAシステムを用いた造血幹細胞特異的遺伝子導入モデル動物の作成を行い、in vivoで造血幹細胞に遺伝子変異を導入することに成功した。今後は、このモデル動物を用いて、骨髄系腫瘍における腫瘍のクローン選択の分子メカニズムの解明をめざす。具体的には、骨髄系腫瘍の網羅的遺伝子解析により、白血病幹細胞において、特定の変異は他の変異と有意に共存ないし排他することが明らかになっている。そこで、有意に共存しやすい遺伝子変異の組み合わせの遺伝子変異を導入したマウスモデルを作成し、標的ディープシーケンスやRNAシーケンス等のゲノム解析技術によるアプローチを組み合わせて、特定の細胞集団がクローン選択される分子病態の探索を進める方策である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Molecular pathogenesis of disease progression in MLL-rearranged AML.2018
Author(s)
Kotani S, Yoda A, Kon A, Kataoka K, Ochi Y, Shiozawa Y, Hirsch C, Takeda J, Ueno H, Yoshizato T, Yoshida K, Nakagawa MM, Nannya Y, Kakiuchi N, Yamauchi T, Aoki K, Shiraishi Y, Miyano S, Maeda T, Maciejewski JP, Takaori-Kondo A, Ogawa S, Makishima H.
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Journal Title
Leukemia
Volume: 33
Pages: 612-624
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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