2020 Fiscal Year Annual Research Report
Leukemic development through chromosomal translocation with super-enhancer exchange
Project/Area Number |
18K16090
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久保田 翔 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特定事業研究員 (70747831)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エピゲノム / 白血病 / BPDCN / スーパーエンハンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍・Blastic plasmactyoid dendritic cell neoplasm (BPDCN)は、ウイルス感染防御に重要なplasmacytoid dendritic cells (pDCs)に類似した表現形・遺伝子発現様式を持つ急性白血病の一亜形である。従来の化学療法には抵抗性で生命予後は不良であり、pDCs前駆細胞から発生するとされるが、発症過程の分子基盤は未だ明らかでない。申請者は、BPDCNに特異的に認める染色体転座t(6;8)(p21;q24)によって、がん遺伝子MYC (8q24)とpDCs分化と生存に重要な転写因子RUNX2 (6p21)のスーパーエンハンサー領域が近接していることを見出した。申請者は染色体転座によって交換・活性化された組織特異的エンハンサーによるMYCとRUNX2異常発現を介した白血病発症機構を解明し、国際的に評価の高い学術誌であるNature Communicationsに研究成果を発表した (Kubota et al., Nat Commun 2019)。また、世界で初めてのBPDCNマウスモデルを確立することで、BPDCN患者で高頻度に認めるDNA脱メチル化酵素・TET2変異とt(6;8)転座によるエンハンサー異常活性化の協調によるBPDCNの病態基盤を解明した。BPDCNは急性骨髄性白血病に分類されており、pDC前駆細胞から由来すると考えられている。現在はhyperCVAD療法などの急性リンパ性白血病に準じた化学療法で寛解した後に、同種造血幹細胞移植が行われている。これらの化学療法の治療によって患者は一時的に寛解にいたるものの、すぐに抵抗性のBPDCNが再発し平均生存期間は一年程度しかなく、新たな治療法の開発が必要とされている。 こうした状況の中、我々はpDC特異的RUNX2スーパーエンハンサーがMYCの過剰発現を引き起こすことでBPDCNの発症を引き起こすことを見出した。さらに、スーパーエンハンサー異常によるBPDCN発症メカニズムの観点から、スーパーエンハンサー阻害剤であるJQ1がBPDCNの治療効果を証明した。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Overexpression of RUNX3 Represses RUNX1 to Drive Transformation of Myelodysplastic Syndrome2020
Author(s)
Takako Yokomizo-Nakano , Sho Kubota , Jie Bai , Ai Hamashima , Mariko Morii , Yuqi Sun , Seiichiro Katagiri , Mihoko Iimori , Akinori Kanai , Daiki Tanaka , Motohiko Oshima , Yuka Harada , Kazuma Ohyashiki , Atsushi Iwama , Hironori Harada , Motomi Osato , Goro Sashida
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 12
Pages: 2523-2536
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research