2019 Fiscal Year Annual Research Report
The significance of ADAM8 on chemoresistance of hematopoietic malignancies
Project/Area Number |
18K16111
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮内 将 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40772801)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 造血器腫瘍 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、造血器腫瘍の発症および治療抵抗性おけるADAM8遺伝子の役割を解明し、治療抵抗性造血器腫瘍を克服する新規治療薬開発の端緒とすることである。 CMLの治療抵抗性に関わるADAM8の分子メカニズム解明においては、CML-BCの細胞株(K562、KU812、KCL22、NCO2)において、K562でADAM8のタンパク質レベルでの発現を確認し、K562細胞株においてADAM8をノックダウンしたところ、増殖能が亢進しtyrosine kinase inhibitor(TKI)感受性が増加することを見出した。遺伝子発現解析の結果ADAM8ノックダウンした細胞株において炎症反応に関わるシグナルが減弱していることが示唆された。ADAM8は重要な炎症性シグナル、IL1シグナルの阻害性受容体IL1R2を分解することが知られており, IL1シグナルを阻害することでCML幹細胞の治療抵抗性が改善することが報告されている。これらの結果から、ADAM8がprotease活性を介してIL1シグナルを修飾することで治療抵抗性に関連していることが示唆された。 また、造血器腫瘍の治療抵抗性におけるADAM8の役割をより幅広く解析するためにTCGAのデータベースを用いて急性骨髄性白血病患者の予後とADAM8の発現量の関連を検討した。その結果DLCBL患者群のみならずADAM8高発現のAML患者群で予後が不良な集団が存在することを見出した。これらの結果、ADAM8が幅広い造血器腫瘍において治療抵抗性に関わることが示唆された。
|