2019 Fiscal Year Research-status Report
本邦の小児~若年成人骨髄異形成症候群における先天性素因と臨床像の解明
Project/Area Number |
18K16128
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平林 真介 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (50769635)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Cancer predisposition |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本邦の小児から若年成人の骨髄異形成症候群において疾患の成り立ちに重要である先天性素因の同定と臨床像の解明を目的とする。平成30年度は研究対象の基盤を拡張するため、多施設で症例登録可能な研究計画書を倫理審査に諮り承認を得て、小児MDS治療研究会や日本血液学会誌での同課題について討議を重ねた。平成31年度は、代表研究者が聖路加国際大学から北海道大学小児科に異動したため、研究遂行の変更が必要となった。引き続き厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「特発性造血障害に関する調査研究」(三谷班)との連携を進めることは確認している。北海道大学小児科において研究計画書の再申請や研究環境の再構築を進めている。遺伝性腫瘍学会での活動を行い、同学会誌に「小児がんと家族性腫瘍」の総説を発表した(2019年 19 巻 1 号 28-31)。また、臨床の現場に網羅的遺伝子解析の実装についての研究に加わり、先天性素因を含めて網羅的遺伝子解析を行うことの課題、結果について第81回日本血液学会での口頭発表を行った(2019年10月、東京)。近年、小児から若年成人の骨髄異形成症候群の原因遺伝子として同定され注目されているSAMD9/SAMD9L異常について米国St Jude病院で国際的な研究会が開催され参加した(2019年11月、メンフィス)。本研究の重要性を再確認し、今後の遂行、立案に役立つ知見を得た。日本小児血液がん学会ではシンポジウムを予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度は症例集積の拡大を目指し、多施設共同研究とするため新たな倫理審査の申請を行った。IRBの承認までの時間を要し全体的に研究の遂行は遅れているが、平成30年12月に承認を得ることができた。しかし、平成31年度は、代表研究者が聖路加国際大学から北海道大学に異動したため、研究遂行の変更が必要となり、研究計画書の再申請や研究環境の再構築を進めている段階である。研究遂行は遅れているが、北海道大学の基盤は整備され、これまでの実績もあることから、今後研究を進めて行くとは可能である。大学内だけでなく、学会や論文雑誌において、本研究の目的である、本邦の小児から若年成人の骨髄異形成症候群において疾患の成り立ちに重要である先天性素因の同定と臨床像の解明について積極的に発信を行っていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「特発性造血障害に関する調査研究」(三谷班)との連携を進め、具体的な解析データを検討していく予定であり、また症例集積に伴いデータベースの作成を進める。遺伝性要因による疾患は創始者効果や人種差の影響が強いため、日本人における検討が必須となる。同時に海外学会参加または海外研究者の招聘を行って交流や共同研究をはかり検討を進める。
|
Causes of Carryover |
平成31年度は研究代表者が聖路加国際大学より北海道大学へ異動した。多施設共同研究とするため新たな倫理審査の申請が必要となっている。平成31年度に予定していた解析を、令和2年度以降に行う予定であり、それに対する解析費用として使用する。新たに海外研究者の招聘を行って、先天性素因の共同研究を考えている。
|
Research Products
(2 results)