2018 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between HLA-DRB1 and therapeutic response to biological disease-modifying antirheumatic drugs in rheumatoid arthritis
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18K16139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 眞璃子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60816601)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 生物学的製剤 / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)の治療は生物学的製剤の開発によって劇的に改善した。しかし生物学的製剤を使用しても疾患活動性の改善が得られない症例も実臨床では経験し、どういった背景因子の患者において生物学的製剤が有効であるかは不明な点が多い。RAの発症と最も確実な関連を示すものは、HLA-DRB1遺伝子であり、HLA-DRB1アリルのアミノ酸配列のうちposition 70-74がQKRAA, QRRAAあるいはRRRAAのいずれかの配列はshared epitope(SE)と称され、RAの発症や重症度と関係していることが明らかになっている。しかし、HLA-DRB1遺伝子と生物学的製剤の有効性との関連に関しては定まった見解が得られていない。またHLA-DRB1以外の疾患感受性遺伝子であるHLA-B及びHLA-DPB1についても治療反応性への関与についての報告はない。そこで本研究では、生物学的製剤を使用しているRA患者を対象とし、同意を取得したのちにNGS法を用いてHLA全11座のタイピングを行い、HLAとRAにおける生物学的製剤の有効性および安全性との関連について明らかにすることを目的とした。 本年度は倫理審査委員会の承認を得たのち、対象となる生物学的製剤を使用しているRA患者をリストアップの上、計75名から同意を取得した。同意取得済みの患者の末梢血液を用いてNGS法にてHLA全11座のタイピングを行った。併行して、対象となるRA患者の疾患活動性や安全性の臨床情報についてデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は倫理審査委員会の承認を得たのち、対象となる生物学的製剤を使用しているRA患者、計75名から同意を取得し、NGS法にてHLAのタイピングを行った。また、対象となる患者のRA疾患活動性推移や、感染症の発生有無に関して臨床データを取得した。現在、追加での同意取得及びHLAタイピング及び統計学的解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、生物学的製剤の有効性および安全性との関連についての解析を進めていく。解析により得られた結果を取りまとめ、研究の総括及び成果の発表を行いたい。今後、HLAタイピングとHLA含めた背景因子に応じてRAの治療選択を行うPrecision Medicineの開発を目指す。
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