2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between HLA-DRB1 and therapeutic response to biological disease-modifying antirheumatic drugs in rheumatoid arthritis
Project/Area Number |
18K16139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 眞璃子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60816601)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / HLA / 生物学的製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)の治療は生物学的製剤(bDMARDs)の開発によって劇的に改善した。しかしどういった背景因子の患者においてbDMARDsが有効であるかは定まった見解が得られていない。HLA-DRB1はRAの疾患感受性遺伝子であり、HLA-DRB1の11番目のアミノ酸がバリンであるとTNF阻害薬(TNFi)への治療反応性が良好となる報告や、shared epitopeがアバタセプト(ABT)の有効性に影響する報告がされている。本研究では、HLA-DRB1アレルとbDMARDsの治療反応性との関連を検討した。 初回bDMARDsを導入し、3ヶ月以上継続しているRA患者106例を対象とし、末梢血を用いてNGS法によりHLAタイピングを行った。ABT37例、TNFi41例、トシリズマブ(TCZ)28例について解析を行った。治療開始3ヶ月のSimplified Disease Activity Index(SDAI)が治療前と比較し50%以上改善している場合(SDAI50達成)を、治療反応性ありとして解析した。その結果、全bDMARDsにおけるSDAI50達成に関与するHLA-DRB1アレルは特定できなかった。ABT投与群において、HLA-DRB1*04:05キャリアではABTの有効性と関連がある可能性が示唆された。HLA-DRB1*04:05以外のHLA-DRB1アレルと、ABT投与におけるSDAI50達成との関連はみられなかった。また、TNFiやTCZ群ではHLA-DRB1アレルとSDAI50達成に有意な関連はなかった。今回の研究ではABTの有効性とHLA-DRB1*04:05が関連している可能性が示唆され、今後症例数を増やして検討を続けて行きたいと考えている。
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