2019 Fiscal Year Annual Research Report
Utilizing eQTL Databases to Identify New Potential Targets in Rheumatoid Arthritis Therapy
Project/Area Number |
18K16140
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土田 優美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90793597)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 関節リウマチ / ゲノムワイド関連解析 / CD83 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムワイド関連解析(genome wide association study: GWAS)によって同定された関節リウマチ(RA)と関連する多型の多くは、タンパク質のアミノ酸配列は変化させずに、expression quantitative trait locus(eQTL)として働き、特定の細胞腫で特定の条件下で遺伝子発現を変化させることで疾患の発症に寄与していると考えられている。本研究においては、申請者らが作成した日本人末梢血の免疫担当細胞におけるeQTLカタログ(Ishigaki et al. Nat Genet. 2017;49:1120-1125)の情報を既存のRAのGWASの結果と統合することにより、RAの新たな治療ターゲットとなる候補分子の模索し、その機能解析を行った。 まずはB細胞におけるCD83に着目した。CD83近傍のRAのリスク多型はB細胞でCD83の発現を低下させる。リスク多型を有する健常人末梢血ではCD27-IgD- double negative B細胞の比率の増多が見られ、CD83はB細胞の分化に影響を与えることで、RAの発症に寄与している可能性が示唆された。 また、申請者らは刺激されたCD4陽性T細胞のeQTLカタログの作成も進めており、そのカタログとRAのGWASを統合することで、他の候補分子の同定を試みた。今まで他の細胞種で着目されていたGWAS遺伝子の一部は、RAのリスク多型によって、活性化されたCD4陽性T細胞で発現量が変化することから、CD4陽性T細胞でも機能を発揮しRAの病態生理に関与している可能性が示唆された。これらの遺伝子については、ヒトCD4陽性T細胞でsiRNAによるノックダウンを行い、機能解析を行った。これらの結果は、RAの新たな治療戦略につながる可能性がある。
|