2019 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーの耐性獲得と免疫グロブリンの親和性成熟
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18K16144
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
夏目 統 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20649115)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / ピーナッツ / 耐性獲得 |
Outline of Annual Research Achievements |
ピーナッツ極微量摂取による耐性獲得誘導(VLOIT) studyは、登録者数が14人に増加した。 primary outcomeである2週間除去したのちの負荷試験陰性閾値は8/9人で上昇(平均0.30gから1.30gに上昇)しており、治療としては有効と考えられる。 これがごく微量のピーナッツを摂取した効果かどうかがカギになるが、ピーナッツ特異的IgEは6か月後に上昇し、12か月後に低下するという、一般的な食物経口免疫療法と同じような経過を示しており、ピーナッツの極微量摂取は除去としてではなく、経口免疫療法として免疫システムが認識している可能性が考えられる。また、ピーナッツ特異的IgG4はまだ解析に足るだけの測定ができておらず、次年度の解析を待つこととなる。 本治療法の有害事象は一般的な食物経口免疫療法に比べると少なく、口腔内違和感を少数が訴える以外は、全身症状を認めたのは2回のみである。 以上から、現在までのデータでは安全で有効な治療である可能性が考えられる。目標登録者数は20人であり、全体の解析はもう少し時間を要するが、研究終了後に免疫システムについて解析を行いたいと考えている。 卵アレルギーの発症予防研究(PETIT study)の検体に関しては、研究終了から時間が経っていること、事前の研究計画に無かった測定であること、同意再取得の困難性から、検体利用にかんしては難しいことが倫理員会との相談の結果決まった。そのため、本検体を用いた検討は行わない方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ピーナッツ研究(VLOIT study)の患者登録が遅れている。 卵の発症予防研究(PETIT study)については、検体保存期間と同意取得の問題で追加の検討は不可能であるとの倫理委員会からの返答であったため、目的とした検討はできないこととなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
ピーナッツ研究は前向きに行っている研究であり、この登録を推進していく必要がある。 近隣病院から重症ピーナッツアレルギー患者を紹介してもらい、研究登録を増やしていく予定である。
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Causes of Carryover |
VLOIT studyの研究登録がなかなか計画通りに進んでいないため。 また、PETIT studyの検体利用が困難なことが明確になったため。
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