2018 Fiscal Year Research-status Report
生体内におけるインクレチンGIPの骨代謝に及ぼす影響について
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18K16197
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 智子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80805771)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GIP / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨組織におけるGIP(Gastric inhibitory polypeptide)の生体内での役割を明らかにするために、floxed GIP受容体マウスとCollagen of skin, tendon & bone, type I (Col1a1)-Creトランスジェニックマウスを交配させて、骨芽細胞特異的GIP受容体欠損マウスを作製した。このことにより、骨芽細胞のGIP作用についてin vivoで検討することを目的としている。 骨芽細胞特異的GIP受容体欠損マウスの表現型を解析した。まず、各臓器のGIP受容体の発現量を検討したが、野生型 (floxed GIP受容体) マウスと比較して、骨芽細胞特異的GIP受容体欠損マウスでは骨、膵島、脳、腸、内臓脂肪、皮下脂肪、褐色脂肪の各臓器でのGIP受容体発現量に有意差を認めなかった。次に、軟X線を用いて骨芽細胞特異的GIP受容体欠損マウスの全身骨長を測定したが、こちらも野生型マウスと比較して有意差を認めなかった。さらに、骨芽細胞特異的GIP受容体欠損マウスと野生型マウスに対して糖負荷試験を行い、糖代謝を解析したが、耐糖能、GIP、インスリン分泌能、いずれにも有意差を認めなかった。また、μCTを用いて骨密度解析を行ったが、こちらも有意差を認めなかった。 一方、骨芽細胞培養、破骨細胞培養、cell lineでのGIP受容体発現を確認したが、これまでに報告があったGIP受容体発現は、初代培養を用いても確認することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨芽細胞特異的GIP 受容体欠損マウスを作成できたが、骨代謝に変化が見られなかったことから、骨芽細胞培養、破骨細胞培養、cell lineでのGIP受容体発現を検索したが、こちらでもGIP受容体発現を確認できなかったことから。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞特異的GIP 受容体欠損マウスの作成、さらには骨芽細胞および破骨細胞特異的GIP 受容体ダブル欠損マウスを作製し、骨芽細胞および破骨細胞に発現する、GIP 受容体の双方が欠損した状態での骨組織を評価する。
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Research Products
(1 results)