2019 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージは全身の脂質代謝を制御し、肥満症治療の標的となる
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18K16200
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 哲也 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (40792346)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リポ蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の成果に引き続き、ノックアウトマウス血中脂質の解析を行った。複数の市販キットを用いた生化学的測定、共同研究者による質量分析計を用いた測定、他組織の研究者による精密分画化したうえでの測定など複数の実験方法で血中脂質を解析し、いずれの測定方法においてもノックアウトマウス血中の脂質が増加していることを確認した。脂質は通常それ自体は水に不溶性であり、リポ蛋白として血中を循環している。ノックアウトマウスの血中で増加している脂質がリポ蛋白に含まれるものなのか、あるいは遊離または特定の結合蛋白と結合し血中に含まれているのかを次に検討した。リポ蛋白は血清または血漿から超遠心により採取可能であるが、本研究においてもその方法を確立し、安定して再現的にリポ蛋白を採取するプロトコールを確立した。さらにリポ蛋白をサイズごとに精密に分画化して検討したところ、ノックアウトマウスで特異的に増加している分画が認められた。したがってマウス血中で増加していた脂質はリポ蛋白に含まれていることが確実となり研究が一段階進展した。リポ蛋白はその粒子に含まれるアポリポ蛋白などによってその動態が修飾されることが知られているため、リポ蛋白に含まれる蛋白質群を網羅的に解析するプロテオーム解析も行った。100種類近くの蛋白が検出されたが、現在この中から過去の報告・生物学的意義・発現量などを参考にしつつ有望なものを探索しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題の解決に必要な標的が少しずつ具体化しつつあり、未知現象の原因解明と治療応用という本研究の性質を考えれば十分な進展と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、肥満抑制物質の探索を進める。
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Causes of Carryover |
期首残額1,042,173円のうち当該年度中に1,040,294円(99.8%)を使用しており問題のない予算執行である。継続課題であるため残額1,879円は無理に処理せず来年度に持ち越した。
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Research Products
(2 results)