2018 Fiscal Year Research-status Report
脂肪細胞の脂肪滴形態とエネルギー代謝特性を繋ぐオートファジー機構の研究
Project/Area Number |
18K16201
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西本 祐希 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20814320)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / FSP27 / オートファジー / リポファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギーを貯蔵する白色脂肪細細胞は単房性巨大脂肪滴形態をとり、エネルギーを消費する褐色脂肪細胞は多房性小脂肪滴形態を示す。細胞内の脂肪滴の形態は、その細胞のもつエネルギー特性に合目的に適合していると推測しており、それぞれの脂肪滴形態の維持に関わる分子メカニズムにつきFSP27を中心に明らかにしてきた。その過程で、従来の細胞質リパーゼによる脂肪分解に加え、オートファジーによる脂肪分解機構すなわちリポファジーが共存することに注目し、その意義や分子レベルでの制御機構につき明らかにするべく検討をすすめている。 我々は、白色脂肪細胞において、脂肪滴の単房巨大化に重要なFSP27αがオートファジーの活性化を抑制することで、より効率的な脂肪貯蔵を可能にすることを明らかにした。野生型マウスの褐色脂肪細胞およびFSP27ノックアウトマウスの白色脂肪細胞では、いずれもオートファジーの亢進を認め、リポファジーは多房性小脂肪滴形態を示す脂肪細胞に特徴的な機構であることが示唆された。さらに、オートファジー抑制薬であるロイペプシン投与によって、これらの多房性小脂肪滴において絶食により生じた脂肪滴サイズや脂肪重量の低下が減弱することを示した。また、実際に細胞レベルにおいて、COS細胞にFP27αを過剰発現させ、FSP27αがオートファジーを抑制することを明らかにした。 これらの結果から、FSP27αは、巨大脂肪滴形成に重要であるだけでなく、オートファジー(リポファジー)の抑制を介して、白色脂肪細胞における脂肪貯蔵に寄与しているものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白色脂肪細胞において、脂肪滴の単房巨大化に重要なFSP27αがオートファジーの活性化を制御していることを明らかにした。しかし、FSP27αの結合蛋白であるAMPKやPRMT1などの候補因子を絡めたオートファジーの活性化機構については、培養細胞レベルの検討で未だ明らかにできていない。またFSP27βとオートファジーに関連については不明である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、褐色脂肪細胞において小脂肪滴形態の維持に重要なFSP27βとオートファジーの関連についても検討したい。FSP27β特異的ノックアウトマウスの作成なども検討している。
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Causes of Carryover |
今年度は国際学会へ未参加であり、旅費などに関しては次年度に使用予定である。また、次年度の新規マウス作成に充てることも検討している。
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Research Products
(1 results)