2020 Fiscal Year Annual Research Report
Unraveling of the mechanism of the organ-protective effect of GLP-1 and the physiological role of extrapancreatic receptors
Project/Area Number |
18K16206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 智彰 九州大学, 医学研究院, 特任助教 (70815894)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GLP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床研究にて、GLP-1受容体アナログが心血管イベントならびに腎イベント抑制作用を有することが報告された。しかしながら、臓器保護効果の機序の詳細は明らかではない。そこで本研究ではGLP-1受容体組織特異的欠損マウスを用いて詳細な機序の検討を行い、GLP-1が持ち合わせる臓器保護効果のメカニズムの解明を目指す。 申請者らが作出したloxP配列でglp1r遺伝子のエクソン4、5を挟む、floxマウス(GLP-1r flox/flox mice)と、単球系細胞特異的に発現するLysM(lysozyme M)-Creマウスと交配させ、産まれた仔が単球特異的にGLP-1受容体が欠損していることを確認した。 次に、単球特異的GLP-1受容体欠損マウスを20週齢まで飼育し解析を行った。 コントロールマウスと単球特異的GLP-1受容体欠損マウスの間で、血糖値、食事摂取量、体重に変化を認めなかった。尿中アルブミンにも変化は認めなかったが、シリウスレッド染色で単球特異的GLP-1受容体欠損マウスの心臓の線維化が亢進していた。さらに筋繊維芽細胞のマーカーであるαSMAが免疫染色・RT-PCR・ウエスタンブロッティングで増加していることを確認した。これらの結果から単球GLP-1受容体を介したシグナルが心臓の線維化に関与している可能性が示唆された。単球GLP-1受容体がGLP-1の心保護作用の機序に関与している可能性が考えられた。
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