2018 Fiscal Year Annual Research Report
C型レクチンを介した肥満脂肪組織慢性炎症の機序の解明および治療応用についての検討
Project/Area Number |
18K16237
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 真一郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10805287)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | C型レクチン / 肥満 / 脂肪組織 / 慢性炎症 / NASH / メラノコルチン4型受容体 / Mincle |
Outline of Annual Research Achievements |
C型レクチンの1つである、macrophage-inducible C-type lectin(Mincle)は、主にマクロファージ発現を誘導するC型レクチンであるが、Mincleをノックアウトしたマウスでは、高脂肪食負荷により肥満となっても、野生型マウスと比較して脂肪組織のcrown-like structure形成とそれに伴う組織の線維化が少なく、脂肪蓄積能が保たれるとともに、肝臓への脂肪の蓄積や糖代謝異常が軽減されることが研究協力者の小川らより報告されている。しかし、C型レクチンと肥満脂肪組織慢性炎症の関連については未だ不明な点が多く包括的な理解が必要であった。 これまで、中枢性摂食調節に重要な役割を果たすメラノコルチン4型受容体(MC4R)の欠損マウスに高脂肪食を負荷することにより、NASH様肝病変を発症することが、研究協力者の小川らより明らかにされているが、申請者らはまず、本モデルマウスを用いて、肝臓、脂肪組織を用いたq-PCRを行い、C型レクチンの発現についての基礎検討を行った。さらに申請者らは、保有するMincle、dendritic cell-associated C-type lectin-2(Dectin-2)、macrophage C-type lectin(MCL)、dendritic cell immune activating receptor(DCAR)の4種類のC型レクチンノックアウトマウスおよび対照群に対して、通常食および高脂肪食による肥満誘導を行い、代謝パラメータおよび、脂肪組織、肝臓、腎臓における生理機能と疾患負荷時の臓器保護効果についての評価を進めている。 今後、さらに検討をすすめ、マイクロアレイ、プロテオソーム、メタボローム等の網羅的解析を行うことで、C型レクチンと肥満脂肪組織慢性炎症の関連について明らかにしたいと考えている。
|