2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of extracellular matrix protein in the regulation of insulin sensitivity
Project/Area Number |
18K16241
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥山 朋子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90806928)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / インスリン感受性 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においてまずFbln5欠損マウスの代謝に関する表現型解析を行った。これまでの検討により、Fbln5欠損マウスでは通常食にて体重非依存性にインスリン感受性が亢進し、高脂肪食誘導性の肥満、高インスリン血症、インスリン抵抗性、脂肪肝ならびに脂肪細胞の肥大化が抑制され、全身のインスリン抵抗性の改善を確認している。今回肝組織のマイクロアレイを用いた網羅的解析を追加し、Fbln5欠損による肝での脂質代謝の変化、ミトコンドリア機能の変化、炎症シグナルの変化、また接着分子としての機能の低下が示唆された。膵β細胞特異的Fbln5欠損マウスでは耐糖能増悪および膵β細胞増殖の低下が認められた。肝細胞特異的Fbln5欠損マウスおよび脂肪細胞特異的Fbln5欠損マウス、皮膚(表皮)特異的Fbln5欠損マウスは明らかな体重やインスリン感受性の変化を来たさなかった。また、標識インスリンを用いたインスリンの組織移行性の検討により、Fbln5欠損マウスでは組織へのインスリン移行性が亢進している可能性を見出している。Fbln5欠損マウスにおけるインスリン感受性の亢進の責任臓器として、血管の寄与も想定し、現在はさらに血管平滑筋特異的Fbln5欠損マウスの樹立を進めている。 さらに、Fbln欠損マウスでは体重増加が抑制された点、皮膚において皮脂腺の萎縮を認め、寒冷刺激時の体温低下が顕著であったことから、Fbln5欠損によるエネルギー代謝の変化が想定された。現在メタボリックケージを用いたFbln5欠損マウスのエネルギー代謝解析を開始している。これらの検討により、今後細胞外弾性線維を介したエネルギー代謝制御機構およびインスリン感受性制御機構をさらに解明していく。
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Research Products
(2 results)