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2018 Fiscal Year Research-status Report

日本人の耐糖能およびβ細胞機能と膵組織学的特徴との関連について久山町研究での検討

Research Project

Project/Area Number 18K16245
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

稲石 淳  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60724565)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywords糖尿病 / β細胞量
Outline of Annual Research Achievements

肥満などのインスリン抵抗性の存在下では、血糖値を正常に保つためにインスリン需要が大きくなる。膵β細胞はこれに対して、代償性に質的、量的に活動を高めて対応するが、長期に及ぶと疲弊し、機能的、或いは量的な破綻を起こすことにより2型糖尿病が発症すると推測されている。ヒトにおいてβ細胞量がどの程度変動するかについては、生体においてβ細胞量を正確に評価することは非常に困難であるため依然不明な点が多い。
日本人における遺伝的背景を含む糖代謝関連因子とα・β細胞量との関係についても、十分に明らかでない。2型糖尿病患者でのβ細胞量の低下は日本人においても報告されているが、これまでの剖検例による検討では、死亡前の治療や栄養状態の変化などもあり、生前に正確な耐糖能レベルや糖代謝指標を評価することは困難であった。また、ゲノムワイド関連解析によりKCNQ1などの2型糖尿病疾患感受性遺伝子とβ細胞機能との関連が示唆されているが、ヒトにおけるβ細胞量との関係性についての報告はない。そこで、福岡県久山町における剖検例の成績を用いて、生前に75g経口糖負荷試験(OGTT)により評価された耐糖能レベル、糖代謝指標、及び2型糖尿病疾患感受性遺伝子とα・β細胞量の関連について検討する。本研究の成果は、日本人における膵内分泌細胞の生理的・病的変化を明らかとし、2型糖尿病の発症予防、根治療法の確立に寄与することが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2002年、2007年、2012年のいずれかの久山町健診でOGTT実施後5年以内に死亡した住民のうち、死後36時間以上の剖検例や病理所見で膵癌や膵炎を認めた者を除いた103名を対象として、生前の耐糖能レベルは正常耐糖能(40名)、境界型(空腹時血糖異常または耐糖能異常、31名)、糖尿病(32名)に分類した。剖検時に得られた膵組織から膵切片を作成し、免疫染色後に全膵面積あたりのβ細胞面積、α細胞面積を測定し、耐糖能による変化を検討した。

Strategy for Future Research Activity

ゲノムワイド関連解析が行われている98名を対象とし、β細胞面積およびα細胞面積と既報において2型糖尿病疾患感受性遺伝子と報告されている遺伝子の1塩基多型との関連について検討する予定。

Causes of Carryover

海外学会での成果報告や成果報告投稿を行うことができず、そのために計上していた経費を次年度へ繰り越した。今後、β細胞のターンオーバーを定量化するため、各症例に対して、β細胞の複製やアポトーシスに関しても評価を検討しており、抗体購入費などに使用予定。また2019年9月に開催される第55回欧州糖尿病学会での成果報告のため演題登録を行っており、採択されれば成果発表のための旅費として使用予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 久山町剖検例における糖代謝関連因子とα・β細胞量との関連2018

    • Author(s)
      稲石 淳
    • Organizer
      第61回日本糖尿病学会年次学術集会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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