2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性多発神経障害におけるinsulin-Notch連関を介した再生機構の意義
Project/Area Number |
18K16247
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
姫野 龍仁 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60753762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Diabetic polyneuropathy / Notch signaling |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性多発神経障害(diabetic polyneuropathy; DPN)は高頻度な糖尿病合併症であるが、有効な治療法は未確立であり、さらなる機序解明が必要な状況である。本研究では、末梢神経系の再生・恒常性維持機構がDPNの病態形成に関与するかを解明することを目的としている。具体的には、2型糖尿病におけるinsulin signaling異常と神経幹細胞/前駆細胞(NSC/NPC)の維持経路であるNotch signalingの相互作用に注目して、「insulin-Notch連関を介して末梢神経系NSC/NPCが早期に増殖・分化し枯渇することが、DPNの発症機序である。」との仮説の下、実験を行ってきた。その結果、末梢神経系NSC/NPCの分布を明らかにし、また、糖尿病マウスの末梢神経系でinsulin signaling亢進及びNotch signaling抑制を確認し、さらにNSC/NPCが早期に減少することも確認した。 実験結果に頑健性を持たせるため、一昨年度~昨年度は作成した末梢神経系特異的遺伝子改変マウス(Notch signaling欠損あるいは亢進モデルマウス)の末梢神経機能の障害(神経伝導速度低下、触覚覚閾値上昇、温痛覚閾値上昇)を確認し、更に、病理学的変化を評価した。また、末梢神経系特異的insulin signaling欠損マウスを作成し、数匹の当該マウスを得られた。 Notch signaling欠損モデルマウスとinsulin signaling欠損マウスにおいては、末梢神経機能の障害が同等に認められ、電子顕微鏡像でも明瞭な神経変性像が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より引き続き遺伝子改変マウスの繁殖効率が低下しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Notch signaling欠損モデルマウスの表現型解析は、生理機能検査と病理学的検査がほぼ完了しており、個体数を追加しデータの再現性を確認する予定である。 Insulin signaling欠損マウスの表現型解析は、未だ十分なデータがなく、今後、更に個体数を追加し評価する予定である。
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