2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of RAGE on feeding and metabolism by the inflammation regulation mechanism of the hypothalamus
Project/Area Number |
18K16248
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
小西 康輔 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90532367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RAGE / 脳内炎症 / esRAGE / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
終末糖化産物 (advanced glycation end-products, AGE)受容体であるRAGE(receptor for AGE)は炎症のメディエーターとして働き、血管内皮炎症、糖尿病、肥満の病態に関与する。これらの病態は脳内炎症の原因となることが近年報告されている。今回、我々が報告した、血管内皮細胞におけるRAGEおよび可溶性RAGE(sRAGE)と炎症シグナルの制御機構の研究成果は『RAGEおよびその切断機序が視床下部の炎症を調節することにより、摂食行動、基礎代謝バランスの撹乱に関与し、肥満・糖尿病の発症に関与する』という仮説を支持する結果と考える。さらに、RAGE欠損マウスにおいて行った高脂肪食負荷モデルの実験では、RAGE欠損マウスにおいて、野生型マウスで見られた高脂肪食負荷による脳内Iba-1陽性細胞の増加の抑制傾向が見られた。さらに、カロリー摂取量を比較したところ、野生型マウスにおいて、普通食群と比較し高脂肪食群はカロリー摂取量の増加を認めた。高脂肪食群において、RAGE欠損マウスは野生型マウスと比較し、カロリー摂取量は予想に反して増加していた。RAGE欠損マウスの体温及び熱産生量は、野生型マウスと比較し亢進しているという報告があり、それが原因の可能性を考えた。 一方、血管内皮細胞特異的RAGE過剰発現マウス(RAGE Tg/Tg)に対して高脂肪食負荷を行ったところ、野生型マウスにおいて、普通食群と比較し高脂肪食群はカロリー摂取量の増加を認めた。高脂肪食群において、RAGE欠損マウスとは異なり、野生型マウスと比較し、RAGE Tg/Tgマウスのカロリー摂取量は有意に低下していた。このことから、細胞表面のRAGEが切断され、血中にsRAGEが放出された結果、高脂肪食負荷による脳内炎症が抑制され、カロリー摂取量が減少した可能性が示唆された。
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