2020 Fiscal Year Research-status Report
肝再生置換療法の臨床応用の為のIn vivoプラント確立の橋渡し研究
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18K16263
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石井 雅之 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50643201)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小型肝細胞 / Laminin |
Outline of Annual Research Achievements |
ICG蛍光法による小型肝細胞の同定と分離にむけての継代培養条件(増殖促進因子の探索、細胞外基質の検討、成熟化誘導)の検討を行った。最終的には①ヒト肝幹・前駆細胞のICG蛍光によるマクロ同定法の開発 ②In vivoプラントによるドミノ移植用細胞分離を適時進め、ヒト小型肝細胞移植による再生置換療法の確立③ハイブリットキメラ動物に適用し、移植細胞による非ウイルス性肝硬変に対する線維化溶解治療の開発を目指しているが、最終目標に向けての基礎研究として動物実験を行った。肝前駆細胞を培養していくと形態の異なるコロニーが形成されてくることが見られた。コロニーを構成する細胞の大きさや形態が異なることに注目した。継代培養に用いた基質は複数の基質を合成したものからなっているため、どの因子が継代培養に関連しているのかを検討した。また、接着因子もにも注目してどの因子が関わっているかも検討した。継代培養を確立した際の実験では、細胞の大きさには違いがあり、より小型の細胞の方が肝細胞としての機能が高いことを示し、より増殖能が高いことを示した。 我々は、ラット小型肝細胞の親細胞に相当する前駆細胞が、Laminin(LN)111 上で自己複製能と肝細胞としての基本機能を維持しながら継代培養可能であることを解明し報告した。 今回の検討から、より肝細胞の機能が高い細胞を選択的に培養できる可能性が示された。今後はより濃密に増殖能の高い肝駆細胞を選択的に増殖させ、効率よく細胞を供給し、薬剤スクリーニングや再生治療に使用可能なドナー細胞の純化法に応用し、安定した肝細胞供給法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞の採取効率を高めるべく、至適条件の探索や、前駆細胞を継代培養するための基質の探索を行い解明したが、ICGを用いた研究には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
継代培養による肝前駆細胞の濃縮化とともに、成熟化のや増殖因子の検討も並行して行い、ICG蛍光法による小型肝細胞の同定と分離を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた消耗品の購入が今年度は不要であり、予定していた支出には至らず、次年度に持ち越すことにした。実験に使用する試薬の購入や、解析機器の購入 に使用する予定である。
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