2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of breast cancer hormone resistance mechanisms using improved proteome analysis.
Project/Area Number |
18K16270
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤岡 大也 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (50773719)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | パクリタキセル耐性株 / 乳癌細胞株 / プロテオーム解析 / Stathmin / PKM |
Outline of Annual Research Achievements |
進行再発乳癌は、ホルモン療法を含めた各種抗癌剤、放射線療法などの集学的治療を用いても依然として予後不良である。原因として、薬剤に対する耐性が乳癌治療を行う上での大きな障害となっている。本研究では、薬剤耐性獲得機序を解明し、乳癌における耐性関連因子を先の研究で行った改良型プロテオーム解析結果を用いて薬剤耐性機序を解明する。 本研究で使用する細胞はMCF-7(親株)と先行研究で作成したMCF-7/PTXR(PTX耐性株)である。MCF-7とMCF-7/PTXRに対して改良型プロテオーム解析を行った結果、親細胞株と比較して、幾つかの発現上昇タンパク質と発現低下タンパク質が同定された。その結果、1つの候補タンパク質としてStathminというタンパク質に注目した。MCF-7とPTX耐性株を用いてStathminのタンパクでの発現を確認するためにWestern Blotを行った。その結果、親株と比較して耐性株で発現上昇を認めた。また、遺伝子での発現を確認するためにmRNA量をRT-PCRを用いて検討したが、親株と耐性株では遺伝子での差を確認することはできなかった。 そこで、発現上昇タンパク質としてもう一つの候補タンパク質であるPyruvate kinaseM1/M2(PKM1/PKM2)の実験を行った。PKMは癌微小環境における糖代謝関連酵素とも関連があり、Stathminは有糸細胞分裂の時に重要な役割をする微小管関連タンパクで病状の進行とも連結しているとの報告もある。 このPKM1とPKM2を親株と耐性株でのタンパク質発現の差を確認した結果、PKM1/2ともに発現上昇を認めた。これは、耐性を獲得する際に癌細胞で糖代謝が亢進していることを示唆している。今後、薬剤耐性におけるがん代謝をターゲットにした新しい診断・治療法開発を進めていく。
|