2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of mechanisms of immunosuppression by regulatory dendritic cell-derived exosomes
Project/Area Number |
18K16271
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
西尾 佳明 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, RI管理室, 共同研究員 (80727347)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 制御性樹状細胞 / エクソソーム / 免疫抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、当該年度において移植片対宿主病(Graft versus Host Disease: GvHD)における制御性樹状細胞由来エクソソーム(regulatory dendritic cell-derived exosome: rDCexo)の免疫抑制能をin vitroの実験系にて検討することを目的とした。 GvHDはC57BL/6(B6)マウス由来T細胞をB6♀×DBA2♂(B6D2F1:BDF1)へ移植するモデルを想定していることからin vitroではB6マウス由来T細胞とBDF1マウス由来樹状細胞を用いたリンパ球混合反応試験(Mixed Lymphocyto Reaction: MLR)を用いてBDF1由来制御性樹状細胞(rDC)の免疫抑制能を検討した。しかし、BDF1マウス由来骨髄細胞から分化誘導したrDCはB6マウス由来T細胞を用いたMLRにおいてBDF1マウス由来骨髄細胞から分化誘導した通常の樹状細胞(conventional DC: cDC)によるB6マウス由来T細胞の増殖を抑制しなかった。 そのため、当初の予定を変更し、当初の予定を変更してB6由来rDCexoを用いてB6→BDF1のマウスGvHDモデルにおけるrDCexoの免疫抑制能を検討することとした。B6由来骨髄細胞から分化誘導したrDCにはMLRにおいてT細胞増殖抑制能が認められ、rDC培養上清からはrDCexoが回収された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、制御性樹状細胞由来エクソソーム(rDCexo)の持つ免疫抑制能をマウス移植片対宿主病(GvHD)モデルを用いて検討することを目的としており、in vivoの実験に先立ってin vitroによる実験を行った。 まず初めに、BDF1マウス由来制御性樹状細胞(rDC)を分化誘導し、その免疫抑制能をリンパ球混合反応試験(MLR)を用いて検討した。その結果、BDF1由来rDCは樹状突起が無く、BDF1由来樹状細胞(cDC)に比べてT細胞の共刺激分子であるCD40, CD80, CD86の発現が低いというrDCの特徴を有しているにもかかわらずBDF1マウス由来cDCとB6マウス由来T細胞を用いたMLRにおいてB6マウス由来T細胞の増殖を抑制しなかった。 そのため、当初の予定を変更してB6由来rDCexoを用いてB6→BDF1のマウスGvHDモデルにおけるrDCexoの免疫抑制能を検討することとした。B6由来骨髄細胞から分化誘導したrDCにはMLRにおいてT細胞増殖抑制能が認められ、rDC培養上清からはrDCexoが回収された。現在はB6由来rDCexoの免疫抑制能をMLRにおいて検討するために実験に必要なエクソソームを回収するためのB6由来rDC培養上清を作成している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては、リンパ球混合反応試験(MLR)を用いたin vitroの実験系において制御性樹状細胞由来エクソソーム(rDCexo)の免疫抑制能を検討することを第一の課題とし、rDCexoの免疫抑制能が確認された後はin vivoにおける実験を行う。 In vivoではB6マウス由来T細胞をBDF1マウスへ移植するマウス移植片対宿主病(GvHD)モデルを用いる。このモデルに対してB6由来rDCexoを静脈注射(i.v.)することでマウスの生存率に改善がみられるかを検討し、同時に組織標本から病理学的変化を検討する。更に、移植されたB6マウス由来T細胞の増殖や分子の発現状態をフローサイトメーターを用いて検討する。 rDCexoの免疫抑制能がin vivoにおいても確認された後はrDCexoによる免疫抑制能の分子生物学的な機序の解明を行うためにrDCexoに含まれるmiRNAのプロファイリングを行い、免疫抑制に関わるmiRNAをピックアップし、該当miRNAによる免疫抑制能が確認されるかどうかをMLRを用いて検討する。 また、当初の研究計画に沿った実験を行うためにBDF1由来制御性樹状細胞の作成についても検討を続けていく予定である。
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